ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

探していた本を古本屋さんで見つけました

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東京は中野区沼袋の古本屋さんで、ずっと探していた本を見つけました。
小学生の頃に読んだ『学習漫画・日本の歴史  町人の世の中〜江戸時代中期』。

出版社名や表紙を覚えていなかったので、ネットで検索していてもまったく見つけられませんでしたが、街の古本屋さんで、偶然出会うことが出来たのです。

集英社から刊行された1982年の作品で、いつの間にか処分してしまい、後になってから悔やみました。

この学習漫画では、東海道五十三次や大坂の商人、赤穂浪士の討ち入りなどが出てきて、江戸時代中期の出来事や事件、元禄文化の様子を楽しく知ることが出来ます。

小学6年生のわたしがとても惹きつけられたのは、最後の章に登場する松尾芭蕉の『奥の細道』でした。

 

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芭蕉曾良の二人の旅の様子が、漫画でとても綺麗に描かれていて、何度も何度も読み返していました。

今思えば、旅への憧れや冒険心の芽生え、歴史や史跡めぐりに興味を抱くきっかけを、この漫画が作ってくれたのかも知れません。

 

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芭蕉俳諧」の章、このひとコマの絵がずっと忘れられず、もう一度見れたらと思っていました。

12歳の少年にも、こういう絵はとても胸に響いてきます。

子どもの頃に体感した絵や風景は、心の中にいつまでも、いつまでも息づいている気がするのです。

 

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カウンセリングと人生相談の違いとは?

ブログできちんと書きたいと思っていた「カウンセリングと人生相談の違い」について、今回は綴りたいと思います。

私は昔から、新聞や雑誌の身の上相談コーナーや人生相談の本を読むのが好きで、美輪明宏さんの著作をたくさん持っていますし、毎日新聞の人生相談の欄によく目を通します。

しかし、カウンセリングの勉強をするようになってから、カウンセリングと人生相談は似ているけれども、やはり大きな違いがあると実感するようになり、そのあたりのことを整理しておいた方がいいなと思いました。

また、両者の違いを伝えることで、カウンセリングをもっと知ってもらう機会にもなると思いました。

 

まず、カウンセリングと人生相談の似ているところを挙げるとすると、その相談の内容が共通していることでしょうか。

相談者はある問題に直面して、苦しい気持ちを抱えて悩み、どうしたらよいのか、迷っています。

人間関係や仕事の悩み、恋愛や結婚、就職、生活、お金、家族、病気のこと…

人の悩みは実にさまざまですが、それは人生相談もカウンセリングも根本的に変わりません。

では両者の違いとは何でしょうか。

それは、相談に対する関わり方にあります。

 

人生相談は、回答する人の個人的な価値観や人生経験によるアドバイスを中心に構成されています。かならずしも学問的な裏づけや、専門的な理論に基づいているわけではありません。

相談者のぺースで話が進められるわけではなく、ラジオの人生相談などを耳にしていると、回答者が一方的にしゃべり、相談者がそれをずっと聴いている場面をよく見受けます。

ともすれば、相談者に対する理解不足や決めつけが生じることもあり得ます。

 

一方でカウンセリングとは、専門的な学習やトレーニング、経験を積んだカウンセラーによって行われる援助行為といえるでしょう。

カウンセラーは、心理学的な理論や技法を駆使してカウンセリングをおこない、科学的・臨床的な知見に基づいて、提案をしていきます。

人生相談が個人的見解やアドバイスが中心であるのに対し、カウンセリングは傾聴・共感が核になっていることも大きな特徴でしょう。

 

カウンセラーは、相談者を尊重して傾聴し、今の気持ちに共感することによって、やがて本人の自己探索を促し、自己決定を支えていきます。

カウンセリングの時間は明確に設定され、安全な場所が確保され、守秘義務が守られて、継続して行われます。

一方、メディア上での人生相談は、本人同意の上で相談内容が広く世間にオープンにされ、回数を重ねることはありません。

カウンセリングは相談者が主役になりますが、人生相談は、回答者の個性が前面に出て、回答者がどんなことを語るかがメインになっている気がします。

 

私自身は、カウンセリングの活動をしながらも、人生相談の味わいのあるコメントも好きで、特に美輪明宏さんの人生相談の本は長年愛読しています。

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美輪さんは、相談者に時に厳しく対しつつも常に温かい愛を注ぎ、差別や偏見に対する姿勢をはっきりと表明しています。

美輪さんの著書は、作品としてのクオリティーが非常に高く、読者は相談内容を我が身に置き換えて反芻し、読み物として楽しめる内容になっています。

カウンセリングと人生相談の違いを自分なりに説明してみましたが、いかがでしたか?

カウンセラーは美輪さんのように「もっと強く生きなさい」とは、まず言わないでしょう…

カウンセリングがもっと身近になり、誰でも気軽に受けられるようになってほしい。

カウンセリングの敷居をもっと低くしたいと思いながら、地道に活動をしていきたいと思います。

 

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傾聴カウンセラー  喜々津博樹

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傾聴カウンセラーという名称のこと

私はカウンセリングをおこなう際に、〈傾聴カウンセラー〉という名称を肩書きにして、活動をしています。

傾聴とは、文字通り、耳を傾けて、共感的に聴くことであり、相手のことを理解しようとする聴き方です。

傾聴は、カウンセリングの最も基本的で重要な要素であり、絶対要件ともいえます。

この傾聴を続けることで、相談者とカウンセラーとの間に信頼関係が生まれて、相談者は安心して自己の内面を見つめることができます。

 

私はカウンセリングを通じて、この「傾聴」という行為の大切さを肌で実感し、カウンセラーとして傾聴の態度を身につけておくとともに、傾聴という素晴らしい言葉をもっと世間に知ってほしいとの思いから、「傾聴カウンセラー」の名称を使っています。

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ところが、この〈傾聴カウンセラー〉という言葉。

カウンセラーは「傾聴力」を当然身につけておくべきであり、絶対要件なのだから、〈傾聴カウンセラー〉という言い方は、字義的に二重表現になってしまい、正しい言葉とはいえないのかも知れません。

それでも私は、傾聴カウンセラーという名前が好きで、何よりこの呼称がとてもしっくりくるのです。

傾聴カウンセラーの名を冠した協会が東京の調布にあり、会員の方々はとても楽しそうに傾聴を日々学び、実践しているようです。

 

相談者に寄り添い、親身になってお話を聴いて受けとめていく…

「聞く」ではなく、「聴く」。

傾聴という言葉が、もっともっと広まり、カウンセリングが社会に身近になってほしい。

名前に恥じないカウンセリング活動をこれからも続けていきたいと思います。

 

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傾聴カウンセラー   喜々津博樹

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LGBTのママと家族を描いた絵本『ふたりママの家で』

東京レインボープライド2019のブースで、とても気になっていた絵本を購入しました。

『ふたりママの家で』

(原題:In Our Mother's House)

パトリシア・ポラッコ  絵と文    

中川亜紀子  訳

サウザンブックス社(2018年) 

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この絵本に登場するのは、ふたりのママ、ミーマとマーミー。

女性同士のカップルです。

二人は生まれたばかりの女の子を家に連れてきて、育て始めます。

女の子には、弟のウィル、妹のミリーができますが、子どもたちは肌の色、髪の色がそれぞれ違います。

ふたりのママと子どもたちの生活が、女の子の「わたし」の視点でゆっくりと綴られていきます。

暖炉の前のおしゃべり、手作りのハロウィーン、裏庭のツリーハウス、ご近所パーティー

「ミーマとマーミーは、わたしたちを本当に大切にしてくれた。それを感じない日はなかった」

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同性カップルのママたちの子育ては、父と母による子育てと何ら変わることなく、血のつながっていない子どもたちは、のびのびと自由に育っていきます。

しかし、この家族をよく思わない人物が登場します。近所に住むロックナーさん。ママと子どもたちをいつもジロリとにらみつけてくるのです…

このロックナーさんが何度も登場してくるところが、この絵本のポイントのひとつになっているような気がします。


作品を読んでいると、「ふつう」とは何なのか、「ちがい」とは何なのかを、まったく血のつながらないひとつの家族を通して、想いを巡らせることが出来ます。

作者のパトリシア・ポラッコ自身が、言葉や宗教、肌の色の異なるさまざまな人たちの間で育ち、「人は同じだと共感したうえで、ちがいを恵みと受け止められるように」物語を書いてきたと語っています。

『ふたりママの家で』は、セクシュアル・マイノリティ、LGBTについて、あらためて知るきっかけになることでしょう。

そしてこの作品は、クラウドファンディングにより翻訳出版されたとのこと。

新しい出版形態が出てきていることに時代の変化を実感し、一方で価格設定を高めにせざるを得ない事情についても、考えさせられます。

サウザンブックス社の出版する書籍にこれから注目していきたいと思いました。

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サウザンブックス社

http://thousandsofbooks.jp/

 

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ビッグイシュー最新号を買い求める

暑い陽射しが照りつける平日の昼下がり、池袋の東口で久しぶりにビッグイシューを購入しました。

ビッグイシューは、ホームレス状態にある人たちに収入を得る機会を提供するため、雑誌を制作し、その雑誌の販売者を応援する民間事業です。

ビッグイシューを販売する人たちは、人通りの多い駅前や繁華街の路上で、雑誌を手に掲げて売っており、その姿を一度は見かけたことがあるかもしれません。

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私は普段よく利用する池袋でビッグイシューを購入することが多いのですが、今回は、ご本人の了解をいただき、ここで雑誌を販売している尾崎さんをご紹介します。

尾崎さんはホームレスではありませんが、練馬区生活保護を受けながら暮らし、毎日ここ池袋駅東口のみずほ銀行の傍らで、ビッグイシューの販売を続けています。

尾崎さんが販売を始められた経緯を私はまだ知りません。
しかし先日の母の日に、尾崎さんがFacebook上に書き綴った文章を読み返すたびに、私は涙が自然とこぼれてきてしまうのです。

「私に物心がついた時には父親は何処かに行ったみたいで

家にはいなく母親と過ごしてたのですが小学3年のとき

村役場の人に車で養護施設に連れていかれ入所したので

母親の面影はないけど小学3年まで育ててもらったので

いつまでも感謝の気持ちは忘れてはいけないです」

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ビッグイシューを手に持ち、販売中の尾崎さん

 

私にとって、ビッグイシューを買い求めるのは、雑誌の購読を楽しむのと同時に、販売されている方のさまざまな人生の一端に触れることなのかもしれません。

雑誌は1冊350円。そのうち180円が販売者の収入になります。(※2020年4月に価格が改訂され、1冊450円、うち230円が販売者の収入になりました)

内容は、カルチャー、アート、社会のエッジにある多様な記事を伝えていて、国内外のホームレス、販売者の人たちが毎回登場します。

路上で誰でも気軽に買い求めることが出来ます。

 

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骨髄バンクのドナー登録をしてきました

ゴールデンウィークの最終日、以前から気になっていた骨髄バンクのドナー登録をしに、池袋の献血ルームに行ってきました。

骨髄バンクのことは、だいぶ前から名称だけは知ってはいましたが、具体的に行動することが今までありませんでした。

献血は昔からたくさんしてとても身近なのに、骨髄というと、なにかよくわからず、きちんと調べようともしていませんでした。

しかし今年、水泳の池江璃花子選手が白血病を公表し、メディアが大きく取り上げたことで、具体的な情報がどんどん入ってきて、登録や骨髄採取に関する手間や負担は、大して心配いらないことがわかったので、ようやく今回行くことが出来ました。

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骨髄バンクのドナー登録は、献血ルームで短時間で行うことが出来ることも今回の報道で知りました。事前の予約は必要なく、パンフレットを読み、内容を確認してから登録申込書に記入、署名をします。

そして、看護師さんから2mlの採血をしてもらい、手続完了となります。献血ルームが混んでいなければ15分程度で終了となります。

骨髄バンクの登録には条件がありますが、私が初めて知ったのは、年齢制限があることです。

 

・18歳以上、54歳以下の健康な方

 

献血も年齢制限があり、69歳まで可能ですが、骨髄の提供は、55歳までしか出来ないそうです。

私は今48歳ですから、登録してもあと7年ぐらいしか提供期間がありません。もっと早く行動すべきだったと悔やみました。

ともあれ、白血病を患っている人にもし自分の骨髄が今後少しでもお役に立つことがあるならば、ぜひ使っていただきたいという気持ちです。

今回は、採血の後せっかくなので成分献血もしてきました。ゴールデンウィークの最終日は献血ルームもそんなに混んでいませんでした。

骨髄バンクのドナー登録は、条件さえ見合えば、簡単にいつでも出来ます。

 

日本骨髄バンク  スペシャルサイト

https://www.jmdp-donor-special.jp/

 

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難病のやっちゃんが書いた絵本『ねずみくんのおくりもの』

絵本、童話が大好きな私ですが、最近とても素敵な絵本に出会いました。

『ねずみくんのおくりもの』

つちだよしはる・文絵      あべやすつぐ・原作

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原作者の阿部恭嗣さん、通称やっちゃんは、9歳の時から筋ジストロフィーという難病とたたかっていました。

病気が進行し、手足が動かなくなり、やがて声も出せなくなりましたが、唇の動きで文字を入力できるクチマウスと出会い、パソコンで文章を書くようになりました。

そのやっちゃんが、妻のアキちゃんに贈った童話が、この絵本の原型です。

 

ねずみくんは、大好きなねずみちゃんの誕生日に、なにか喜ぶことをしてあげたいと思いましたが、自分にはなんにもできないと悩んでいました。

それでも、丈夫な前歯を使って、ねずみちゃんそっくりな氷の像を作ることをひらめきます。

時間を忘れて、手も足も真っ赤にしながら雪をかため、わき目もふらずに雪のかたまりを削っていきましたが…

 

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ねずみくんのひたむきで一生懸命な姿、森の中でねずみくんが出会う動物たちが、つちだよしはるさんのやわらかな淡い絵で描かれています。

好きな人に喜んでもらいたい、そのためにはどんなことができるだろう…

やっちゃんは、体の自由がきかなくても精一杯生きていきたい、大好きなひとが喜ぶことをしたい、という自身の想いを、ねずみくんの姿に託したのかもしれません…

とっても好きな人、愛する人に贈り届けたい絵本です。

やっちゃんは、この物語をアキちゃんにプレゼントし、2008年、52歳で旅立たれました。

『ねずみくんのおくりもの』

2018年11月刊行・教育画劇

http://kyouikugageki.co.jp/bookap/detail/1803/

 

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カフェ潮の路 珈琲

私はコーヒーがとても好きで、家ではレギュラーコーヒーを淹れて飲んでいます。

最近よく購入しているのが、東京・練馬区にあるカフェ潮の路で販売されている、自家焙煎の「潮の路珈琲」。

カフェ潮の路は、過去にホームレスを経験した人たちがスタッフとして働いており、地域の人々が訪れて利用されているカフェです。

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このカフェを運営しているのは、一般社団法人つくろい東京ファンド。

長年、東京で路上生活者や生活困窮者の相談・支援を続けてきた稲葉剛氏が代表をされており、路上生活者やネットカフェ生活者を受け入れる個室シェルター事業や、シェルター退去後の借り上げアパートの運営をおこなっています。

さらに、アパートに入居した人たちの「仕事」と「居場所」を自分たちで作ろうとの思いで、2017年にカフェを立ち上げました。

カフェで働いているのは、20代~70代のホームレス経験を持つ人たち。

1階がコーヒースタンドで、フェアトレードの豆を使った自家焙煎コーヒーを作っており、私はオンラインショップを利用して、潮の路珈琲を購入しています。

味がとてもまろやかで美味しく、朝食後のコーヒーに欠かせなくなりました。

届いた珈琲には、必ずカフェからの通信が同封されており、そこで働く人たちの悲喜こもごもが綴られています。

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つくろい東京ファンドのような社会的活動をおこなっている団体を応援したいと思った時、寄付をする方法だけでなく、そこで生産されたものを「購入」して、味わうことが、自分にとっても日々の生活の楽しみになっています。

つくろい東京ファンド    https://tsukuroi.tokyo

 

【追記】

ここで記した自家焙煎珈琲の販売事業は、2019年7月に終了してしまいました。

カフェは変わらずに継続されているそうで、ぜひお店を訪ねたいと思います。

 

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カウンセラーの守秘義務とは?

今回は、カウンセラーの守秘義務について綴ってみたいと思います。

守秘義務とは、業務上または職務上知り得た秘密を他に漏らさないようにすることですが、カウンセラーにも、相談者が話す内容、個人の秘密を外部に漏らしてはならない義務が常にあります。

この守秘義務があることで、相談者は、自分の秘密を他に知られることなくカウンセラーに話せるのです。

私が会員として活動している日本産業カウンセラー協会では、カウンセラーの倫理綱領を定め、その行動基準を明確化しています。

守秘義務については、綱領の第6条に【信頼関係の確立】として次のように規定しています。

 

産業カウンセラーは、クライエントおよび他の専門職、企業・団体などの関係者との信頼関係確立のため、職務上知ることのできた秘密を正当な理由なく漏らしてはならない。

 

しかし、この守秘義務には限界もあります。

カウンセリングの内容から、もし相談者本人もしくは他者に対して、生命の危険が及ぼされる可能性が高いとカウンセラーが判断した場合は、その危険を防止する為に、個人の情報を関係機関に開示・連絡する正当性がある、とされているのです。

綱領の第11条には、【危機への介入】として、守秘義務の限界、個人情報の開示・連絡の正当性について、以下のように記述されています。

 

産業カウンセラーは、クライエントに自傷・他害のおそれ、または重大な不法行為をなすおそれがあるか、その危険を感じた場合には、速やかにその防止に努めなければならない。

・前項の行為は、それが緊急に求められ、それによりクライエントまたは被害者の安全等の利益が他に優越して守られる場合は、正当な行為として許される。

・前項の場合においてもクライエントの不利益を最小限に抑える。

 

守秘義務とその限界について、カウンセラーはカウセリングの開始時、かならず相談者にお知らせします。

守秘義務を果たし、相談者と信頼関係を築くことで、相談者は安心して、自分の話したかったことを自由に語り始めることが出来るのです。

ぱすてるでは、相談者がなによりリラックスをして、なんでも自由に話せるカウンセリングを続けていきたいと思います。

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東尋坊の茂さん

福井県東尋坊は、自殺の名所として知られていますが、この東尋坊の断崖で、自殺企図者に声をかけて、多くの命を救っている人たちがいます。

その活動を行なっている団体は、「NPO法人 心に響く文集・編集局」。その代表が、元警察官の茂幸雄さんです。

茂さんは警察官時代に、東尋坊の海岸で大勢の身投げ死体に遭遇し、これだけ自殺者がいるのに、地元で何の対策も取られていないことに疑問を抱きました。

そして、東京からやって来た、ある年配カップルの自殺を防ぐことが出来なかった体験をきっかけに、東尋坊での自殺防止活動を2004年から仲間の人たちと続けています。


昨年、私はメールを通じて、茂さんと連絡をとらせていただきましたが、昨年末までに、640人もの自殺未遂者の命を守り、2018年は31人の命をつなぐことが出来たと知らせてくれました。

茂さんたちのNPOが行なっている活動の特色は、自殺企図者への声がけ、傾聴だけでなく、福井県内での仮住まいの提供、時には家族・職場への同行といった、一人一人の再出発への支援活動にあります。

茂さんたちの活動により、東尋坊における自殺者は年々確実に減少しているそうです。


私が行なっているカウンセリングの目的もまさに、自殺企図者のつらい気持ちや悲しみを受けとめて、寄り添うことで、その人のかけがえのない命をつなぐことです。

茂さんの次の言葉が、私のカウンセリングの根幹にもなっています。


『自らの命を断とうとする彼らは「死にたい」のではなく、「死にたいほど、苦しい」のです。その気持ちを他の誰かに分かってもらいたいんです。

心に響く優しい言葉をかけてもらいたいのです』


今年、まだ行ったことのない東尋坊を訪ねる旅をしたいと思っているこの頃です。

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NPO法人 心に響く文集・編集局

http://toujinbou4194.com/index.html

 

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