ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

傾聴体験イベントをおこないました

昨日はいつものカウンセリングとは違う、傾聴体験イベントを初めておこないました。

 

タイトルは「聴くを楽しむ体験」。

参加者が聴き役となり、話し役である私の話、気持ちをオンラインで傾聴するイベントです。

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夏休み企画として開催したこのイベントは、私が産業カウンセラーの養成講座を受講した時に体験したロール・プレイがヒントになっています。

 

カウンセリングの実技講習では、受講生が聴き役と話し役の両方を経験することで、日常会話と傾聴の違い、相手の気持ちを受けとめて「聴く」とはどんなことなのか、傾聴のスキルと態度を、実践で学んでいきます。

「聞く」と「聴く」の違いを肌で体感できる、大変おもしろくも悩ましい?実習でしたが、カウンセリングを学ぶ受講生だけでなく、広く一般の人が体験できたら、〈傾聴〉を知るとてもいい機会になるんじゃないか、と思いました。

 

また、カウンセリングの活動を続けていく中で、相談に来られる方の中には、心理学や相談支援職、傾聴に関心を持つ方が少なからずいることがわかり、ご当人が話すだけでなく、「聴く」体験を持つことができたら、とても面白いのではないか、とも感じていました。

 

そうして初めて開催した体験イベント。

Twitterで告知をしたら、大変ありがたいことに定員4名の枠はすぐに埋まってしまいました。

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通信手段はZoomを利用し、話し役の私はビデオで顔を出しますが、聴き役の方は自由としました。

唯一のルールは、守秘義務を守ってもらうこと。これだけです。

傾聴の時間は30分間。その後の10分は、感想や雑談の時間となります。こちらからジャッジやアドバイスをしたりはしません。これは講義ではなく、聴くことを純粋に味わい、楽しむのがテーマですから。

その10分間の中では、最後にちょっとした楽しみ?がありますが、ここではまだ言えません…

 

参加者の方々からは、貴重な体験や学びになった、気づきがあったというご感想をいただき、開催してみてよかったと思いました。

話し役を務めた私自身が、まさに話を聴いてもらうことで、気分が軽くなって安堵したり、自分の癖に気づいたり、聴いてくれる方の応答や態度に大きく学ぶことがありました。

 

今回、参加したくても出来なかった方々のために、第2回目を早速準備しているところです。

 

追記:

第2回・聴くを楽しむ体験

8月16日(日)13時より開催。

 

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喜々津 博樹

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コロナの不安と向き合う

久しぶりのブログ更新となります。

コロナについて書きたいと思いつつ、あまりに話題が多すぎてまとまらず、時間が経ってしまいましたが、やはり書き留めておきたいという自分の欲求に従い、ようやく取りかかりました。

 

今年に入ってから、全世界に広がった新型コロナウイルス感染症の影響ははかり知れず、このブログを書いている5月9日の時点でも、世界の多くの国が活動を制限し、日本国内でも外出の自粛や移動の制限が続いています。

 

かつて経験したことのない局面に遭遇し、誰もが不安や恐怖、息苦しさを抱えながらの日々を送るようになりました。

医療機関が深刻な危機に見舞われ、世の中のあらゆる場所、店舗、機関が甚大なダメージを受けて、かつてない生活不安、経済危機にも直面しています。

 

このような未曾有の状況の中で、私たちはこの不安や恐怖とどう向き合っていったらよいのか、自分なりにずっと考え、いまいちど整理を試みてみました。

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①不安の要素を挙げてみる

なぜ、これほどまでに不安を感じるのか、今更ながら、ひとつひとつ書き出してみました。

 

・いのち・健康が失われる恐怖

・生活・仕事が脅かされる不安

・身内や友人と対面で会えない孤独感

・感染が全世界規模に拡がっている

・終わり(収束)が見えない、わからない

・ウイルスは目に見えない、確認できない…

 

これまでの大規模災害や病気とは明らかに異なる要素、重なる部分、コロナウイルス特有の性質、問題を整理し、コロナによって何が引き起こされているのか、もう一度把握してみます。

私は感染の不安が広がり始めた時に、まず思い浮かべたのは、9年前の東日本大震災原発事故による放射能漏れの、言いようのない恐怖と不安でした。

 

②自分自身の状態を知る

カウンセラーの傾聴における基本的な態度に「自己一致」というものがあります。

カウンセラーは傾聴する際に、自分の状態、内面に気づく必要があります。自身をありのままに受けとめ、動揺したり影響を受けることがあり得ることに気づいていること。これが自己一致の状態です。

気づいていれば、感情に巻き込まれたり、動揺することに対して、素早く冷静に対処し、落ち着いて対応できるようになるのです。

 

私がこの感覚を感じたのは、感染が拡がり始めた時に起きた、トイレットペーパーをはじめとする日用品の買い占めです。

不安が不安を呼び、デマが拡散されて、瞬く間に人々が買い占めに走りました。

あの時、私は不安を抱き、この先を心配しながら、情報の不確かさに疑問を抱き、買い占めに走ることなく冷静でいられました。

ニュースで買い占めの様子を知った時に、「こんな恥ずかしい、下品なことは出来ないな」とも思いました。

 

動揺したり不安になる自分を否定せずに、今自分がどんな状態にあるかを知ること。

自分の今の気持ちと向き合い、受けとめてみる。

そして、どんな行動を取るのが一番いいのか、落ち着いて考えること。

コロナで、自己一致の大切さをあらためて学んだように思います。

 

③差別・偏見・無関心への怒り

コロナにまつわる様々な事態の中で、自己一致と関連して私がとても想いを巡らしたテーマが、感染者への差別や偏見、そして自分自身も含めた、感染に対する意識の低さ、無関心への怒りの感情でした。

 

差別、偏見はすでに社会的にも大きな問題となっているように、感染者への差別や攻撃的な態度、未感染の人に対して感染を疑ったり揶揄するような、尊厳を傷つける言動です。

差別と偏見が露わになる社会への怒りが沸々とこみ上げてきました。

 

無関心は、感染予防に対する意識の低さです。私の場合、3月は都心に友人と飲みに行ったり、マスクを徹底しない日があったりと、かなり意識が薄かったな、と反省することしきりです。

「ウイルスをばらまく」といって、信じられない行動をとる人間もメディアで報道されました。

 

身近な差別や偏見への怒り、そして内省の気持ちが大きくなり、こんな状況で、自分はどういう行動をとるべきなのか、社会はどうあるべきなのか、じっくりと考える機会が生まれました。

 

ここまで書き留めてきた3つの視点は、このコロナの不安と、どう付き合っていったらよいのか、カウンセラーとしての見方も織り混ぜての私なりの向き合い方です。

こうして綴りながら、私自身が自分の不安な気持ちを整理したいのだと思います。

そして、コロナによって新たに見えてきた価値観も感じ始めています…

 

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カウンセラーの応答・クイズアンケートの結果

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先日、Twitterでカウンセリングについてのクイズアンケートをおこなってみました。

カウンセラーがどんな応答をカウンセリングで実際するのかをクイズ形式でたずねてみたのです。

このクイズで、カウンセリングをより身近に知ってもらいたかったのですが、たくさんのご回答をいただき、とても興味深い結果が出ましたので、このブログであらためてご報告したいと思います。

 

クイズはこんな感じです。

カウンセラーがカウンセリングでこんな相談を受けた時、まずどんな応答をすると思いますか?

「会社に行けないんです。どうしたらいいでしょう?」

 

① 無理に行かなくていいんですよ…

② 行けない理由は何ですか?

③ 職場で嫌なことがあったのですね。

④ どうしたらいいのか、悩んでいるのですね…

 

いかがですか。

あなたがもしカウンセラーなら、相談者の問いかけにまずなんて答えるでしょう?

このクイズを思いついたのは、カウンセリングと日常会話の違いや、カウンセラーが身につけている傾聴の基本的な態度というものを、とてもわかりやすく伝えられると思ったからです。

 

Twitterのアンケート機能を使い、投票期間は2日間。たった2日で、108票もの回答をいただきました。

以下が、回答結果となります。

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6割以上の方が、

④ どうしたらいいのか、悩んでいるのですね…

を選ばれました。

まさしくその通り、最もふさわしい応答は、④になります。

今回のクイズの回答者は、カウンセラーとしてTwitterを利用している私のフォロワーの方が中心で、カウンセリングをすでに受けていたり、カウンセリングや心理学に関心の高い方が多いと推測されますので、正答率がとても高くなりました。

 

カウンセラーが傾聴をおこなう際に、身につけておかねばならない基本的な態度には、以下の3つがあります。

 

・自己一致

・受容(無条件の肯定的配慮)

・共感的理解

 

これらの態度、姿勢を基盤としてカウンセリングがおこなわれることで、相談者は安心して悩みを話すことが出来ます。

この基本的な態度のうち、受容と共感的理解を最も踏まえた応答が④になります。

カウンセラーは、相談者がいま現在抱いている気持ちをまず受けとめて、共感的に相談者の言葉を伝え返していきます。

一方で①と③については、相談を受ける側の決めつけや憶測、先入観が入っており、カウンセリングというよりも日常会話で、つい相手に言ってしまいがちなセリフではないでしょうか。

②は、受容と共感を経て、相談者との信頼関係が作られてから進む質問であり、関係ができれば、相談者自ら語り始める内容かも知れません。

 

カウンセリングとは何か?

その一端でも、楽しみながら知っていただけたら嬉しく思います。

自己一致については、機会をあらためてご説明できればと思っています。

カウンセリングをもっと身近に。

 

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青木ヶ原樹海を歩いてきました

暮れも押しせまった先日、山梨県の富士山麓青木ヶ原樹海を訪ねてきました。

青木ヶ原樹海は、今なお自殺者の多い地域として知られています。

私がその深刻さを知ったのは、今から10年ほど前でしょうか、富士樹海で自殺する人があまりに多いため、地元で自殺防止のネットワーク組織が作られ、その様子をテレビで偶然見た時でした。

自殺未遂の男性が、樹海入口の駐車場で警察に保護されている姿が映し出され、その光景が今もはっきりと目に焼きついています。

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私がカウンセリングの活動を始める動機となったのが、神奈川県座間市で起きたアパート遺体遺棄事件、そして電通元社員の高橋まつりさんの過労自殺です。

いずれも、若く尊い命が理不尽な理由で失われてしまった、あまりに悲しい社会的な事件でした。

自殺を考えている人にカウンセラーが直接向き合い、命をつなぎとめる場所…

自殺多発の地点で、企図者に声をかける活動をいつしか模索するようになっていました。

 

師走の29日、東京でレンタカーを借りて中央自動車道を走り、河口湖インターで下りて国道139号線へ。西湖コウモリ穴の駐車場に車を止めました。

ここはすでに青木ヶ原樹海に面しており、広大な樹海が広がり、その中を遊歩道が通っています。

駐車場からまず南に向かって遊歩道や車道を進み、国道を横切って鳴沢氷穴へ。

この鳴沢氷穴は駐車場と売店があり、大変な人の賑わいで、外国人がとても多い印象。それまでの静寂とはかけ離れていました。

売店の奥に遊歩道が延びていますが、その入口に、自殺企図者へ呼びかける看板が目に入ってきます。

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富士山の溶岩で形成された、樹海独特の森林地帯の中を進みます。ここから富岳風穴までの道は、ゆるやかなアップダウンを繰り返し、最近降った雪が、地面にだいぶ残っていました。

富岳風穴にも広い駐車場と売店、喫茶スペースがあり、バス停を降りて、ここから樹海に入る人も多いようです。

私が今回、力を入れて歩いたのはこの富岳風穴周辺の遊歩道です。

観光客で賑わっていた風穴から離れ、樹海の道に入っていくと、人はぐんと減って急に静かになります。

この道をこれまでいったいどれだけの自殺企図者が、どんな思いで、歩いていったのか…

樹海の森は、冬でも緑が多く、美しい苔で覆われた原生林が目につきます。そして、無数の細かい起伏が連なって大地が形成されていることに気づかされます。

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人の気配はまったくなくなり、静寂が支配する森。企図者ともし出会ったら、どんな言葉をかけたらいいのか…

場所によっては地面が白い雪に覆われ、雪の上には鹿が歩いたと思われる跡がついています。

数時間にわたり森の中をを歩きましたが、結局この日はそれらしき人に出会うことはありませんでした。

しかし遊歩道のすぐ脇に、2輪ほどの花と果物が2つ供えられているのに気づきました。そんなに日も経っていない様子です。

その場所で、静かに手を合わせました。

レンタカーを止めてあるコウモリ穴の駐車場まで戻り、帰りは河口湖畔を走り、東京への帰途につきました。

 

青木ヶ原樹海をゆっくりと歩くのは初めてでしたが、あらためて富士山麓の自然の奥深さを感じるとともに、この地で自死した人たちの魂に思いを馳せる旅となりました。

この活動は、これからも地道に続けていこうと思っています。

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カウンセリング・アンケート第2弾

Twitterでのカウンセリング・アンケート第2弾をおこないました。

前回は、カウンセリングを受けてみたいか、否か?というアンケートでしたが、今回は、その結果を受けての第2回目です。

私にとっては予想外の結果となり、またも大変興味深い内容でしたので、ぜひご報告したいと思います。

質問

「あなたが、心理カウンセリングを受けてみようと思う時、どんな方法で受けたいと思いますか?」

 

選択肢は、以下の4つです。

・対面

・電話・オンライン

・メール

SNS(DMなど)

 

カウンセリングを受けるにあたっては、およそ上記の方法のいずれかになるかと思います。

対面が一番基本的な形式ですが、電話やメールによるカウンセリング、相談もよくおこなわれています。

最も新しい形が、4つめのSNSを介してのカウンセリングでしょう。

LINEやTwitterのDM(ダイレクトメッセージ)を使ってのやりとりが、カウンセリングにも利用されてきています。

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今回のアンケートの趣旨は、相談者がカウンセリングを受ける時に、どんな方法を最も望んでいるのかを知りたい、というものでした。

その要望に対応した準備を、カウンセラーとして整えておきたいと思ったのです。

 

このアンケートを始める時、私はおそらく電話・オンラインや、SNSによる方法が、かなり票を伸ばすだろうと予想していました。

コミュニケーションの密度が濃い対面カウンセリングは、最近はむしろ求められにくいのではないか?

なぜなら、私のカウンセリングを受けられる相談者の方々は、まさにオンラインによる通話や、SNSを介しての相談がとても多いからです。

対面を希望する人は、数としては少ない方なのです。

 

果たして結果は…

私の予想はあえなく外れました。

【集計結果】

投票期間:3日間

投票数:71票

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対面が実に半数以上を占め、電話・オンラインは、対面の半分にも満たないのでした。

SNSがメールを上回る結果となり、これはまさに今の時勢を反映しているように思えます。

 

カウンセリングの最も基本的なスタイルである、対面方式。

やはり相談者は、目の前にいる人間に、自分の気持ち、悩みを話したい、吐き出したいと思うのでしょうか。

カウンセラーにとっても、カウンセリングの基本はあくまでも面接であり、相談者の仕草や表情、視線といった言葉以外の部分をつぶさに観察することが、相談者を理解する上でとても大切になってきます。

 

私は東京の池袋という場所で対面カウンセリングをしています。

そして、電話カウンセリングのお申し込みを受けるのは、東京から遠く離れた地で暮らす方々からです。

もし、その方々が身近な場所でカウンセラーと接する機会に恵まれたなら、おそらく地元で対面によるカウンセリングを受けているのかも知れません。

私はTwitterを通じて相談者と出会う機会が多いので、場所を選ばない電話やSNSのカウンセリングが、たまたま多いだけなのかも知れないのです。

今回のアンケートは、相談者が望んでいるカウンセリングの方法を知り得る貴重な機会となり、カウンセリング方法の原点について教えてくれました。

アンケートにご協力いただいた方にあらためて、お礼を申し上げます。

次回の投票は、ゆるい趣味の話題でやってみたいですね。

 

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カウンセリングのアンケートをおこないました

先日、Twitterにてカウンセリングに関するアンケートを行なってみました。

その結果が大変興味深いものだったので、ご報告したいと思います。

Twitterでアンケート機能を使うのは初めてでしたが、途中経過を見ていくのは大変楽しく、またリツイートしてくれた方が何人もいて、予想を遥かに超える票が集まったことはとてもありがたいことでした。

質問内容は極めてシンプルなものです。

 

「カウンセリングを受けてみたいか、受けたくないか?」

 

回答者は、Twitterの利用者で、アンケートをご覧いただいた方。

心理カウンセリングを受けた経験があるかどうかは問わず、誰でも参加できます。

設問は、以下の4択から選んでいただきました。


〈カウンセリングを〉

・受けてみたい

・受けたいけれど、不安

・受けたくはない

・過去に苦い体験をした


質問の意図には、主に以下の要素がありました。

・カウンセリングの需要は、果たしてどれぐらいあるのか?

・カウンセリングに対する敷居は高い?

・過去にカウンセリングを受けたことがある人の実態はどうなのか?


2択ではなく、設問を4つにしたのは、カウンセリングに対する心理的な負荷を知りたかったからです。

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【集計結果】

投票期間:4日間

投票数:109

〈カウンセリングを〉

・受けてみたい       39%

・受けたいけれど、不安   31%

・受けたくはない      8%

・過去に苦い体験をした   22%


以上の結果となりました。

100人以上もの方がアンケートに参加してくれて、とても嬉しく思いました。


カウンセリングを受けたいと考えている人は、回答者の約4割。

受けたいけれども、不安だと感じている人が3割にものぼります。

この数字は、カウンセリングを受けることの心理的負担が、少なからずあることの証左に思えます。

受けたくない、と答えた方が1割に満たないということは、カウンセリングへの潜在需要の高さにつながるのではないかと感じました。


そして私が驚いたのが、過去にカウンセリングを受けて、苦い体験をした人が少なからずいるという事実でした。

なぜこの質問を入れたかといえば、カウンセリングの話をしていて、

・カウンセラーから、傷つくことや余計なアドバイスを言われた

・期待して受けたが、たいして変わらなかった…


といった声をしばしば耳にすることがあったからです。

アンケートの結果から、カウンセリングを受けたものの、相談者にとっては必ずしも良い方向には進まなかった事例が少なからずあるのだ、と思いました。

その要因は検証が必要だと思いますが、カウンセラーの質の問題や、カウンセリングそのものに対する認識の相違などが含まれているのかも知れません。

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私はカウンセリングをもっと身近にしたい、との思いでカウンセリングの活動をしていますが、今回のアンケートは、これからカウンセリングを広めていくために、どんなことをしたらよいのか、そのヒントをたくさん与えてくれたように思います。

全体としては、7割にも及ぶ方がカウンセリングを受けたいと思っていることがわかり、カウンセリングが多くの人に必要とされていることが確認できて、とてもよかったです。


アンケートにご協力いただいた方にあらためてお礼申し上げます。

第2弾も早速考えておりますので、その節はどうぞよろしくお願いします。


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八ヶ岳の森を歩いてきました

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先週末、長野県の北八ヶ岳・白駒池を散策してきました。

9月に入り、やっと山に出かける機会を持てたのです。

早朝、練馬でレンタカーを借りて、中央自動車道を一路、西へ。

諏訪インターで降り、茅野市を抜けて、国道299号線のメルヘン街道を登っていくと、八ヶ岳の北部山域に入り、標高2120メートルの麦草峠に到着しました。

 

あたりは原生林の深い森が広がる、とても美しいエリアです。

この付近は、学生時代に山登りで何度も訪れた思い出の地でもあります。

峠から少し東に下ったところにある駐車場に車を停め、出発。

ゆるやかな登山道を進み、高見石小屋という小さな山小屋のあるところまで登ると、近くの岩場からは素晴らしい展望が望めました。

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眼下の森の中にぽっかりと見える白駒池、遠くには浅間山の連峰、佐久の盆地が見渡せます。

 

眺望を満喫した後は、白駒池に下り、池の周りを散策。

原生林の樹間を緑の苔が覆い、湖面は風で静かに波を打っています。

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昔に比べて、木道や新たな看板が目立ち、俗臭が増していましたが、変に観光地化されていないのが、救いです。

9月の初旬、山はまだまだ夏の雰囲気でしたが、赤とんぼが飛び交い、小さなキノコをいくつも発見して、小さな秋を感じました。

駐車場に戻り、休日の短いハイキングを終えました。

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初めて八ヶ岳を訪れてから、もう30年の月日が経ちますが、人工物が増えたとはいえ、山そのものは何ら変わっていないな、としみじみ感じました。

北八ヶ岳は、山や自然の好きな人、そんなでもない人でも優しく包み込んでくれる、静かな山です。

今度来るときは、人のもっと少ない晩秋に、ゆっくりと訪れたいと思いました。

 

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探していた本を古本屋さんで見つけました

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東京は中野区沼袋の古本屋さんで、ずっと探していた本を見つけました。
小学生の頃に読んだ『学習漫画・日本の歴史  町人の世の中〜江戸時代中期』。

出版社名や表紙を覚えていなかったので、ネットで検索していてもまったく見つけられませんでしたが、街の古本屋さんで、偶然出会うことが出来たのです。

集英社から刊行された1982年の作品で、いつの間にか処分してしまい、後になってから悔やみました。

この学習漫画では、東海道五十三次や大坂の商人、赤穂浪士の討ち入りなどが出てきて、江戸時代中期の出来事や事件、元禄文化の様子を楽しく知ることが出来ます。

小学6年生のわたしがとても惹きつけられたのは、最後の章に登場する松尾芭蕉の『奥の細道』でした。

 

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芭蕉曾良の二人の旅の様子が、漫画でとても綺麗に描かれていて、何度も何度も読み返していました。

今思えば、旅への憧れや冒険心の芽生え、歴史や史跡めぐりに興味を抱くきっかけを、この漫画が作ってくれたのかも知れません。

 

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芭蕉俳諧」の章、このひとコマの絵がずっと忘れられず、もう一度見れたらと思っていました。

12歳の少年にも、こういう絵はとても胸に響いてきます。

子どもの頃に体感した絵や風景は、心の中にいつまでも、いつまでも息づいている気がするのです。

 

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カウンセリングと人生相談の違いとは?

ブログできちんと書きたいと思っていた「カウンセリングと人生相談の違い」について、今回は綴りたいと思います。

私は昔から、新聞や雑誌の身の上相談コーナーや人生相談の本を読むのが好きで、美輪明宏さんの著作をたくさん持っていますし、毎日新聞の人生相談の欄によく目を通します。

しかし、カウンセリングの勉強をするようになってから、カウンセリングと人生相談は似ているけれども、やはり大きな違いがあると実感するようになり、そのあたりのことを整理しておいた方がいいなと思いました。

また、両者の違いを伝えることで、カウンセリングをもっと知ってもらう機会にもなると思いました。

 

まず、カウンセリングと人生相談の似ているところを挙げるとすると、その相談の内容が共通していることでしょうか。

相談者はある問題に直面して、苦しい気持ちを抱えて悩み、どうしたらよいのか、迷っています。

人間関係や仕事の悩み、恋愛や結婚、就職、生活、お金、家族、病気のこと…

人の悩みは実にさまざまですが、それは人生相談もカウンセリングも根本的に変わりません。

では両者の違いとは何でしょうか。

それは、相談に対する関わり方にあります。

 

人生相談は、回答する人の個人的な価値観や人生経験によるアドバイスを中心に構成されています。かならずしも学問的な裏づけや、専門的な理論に基づいているわけではありません。

相談者のぺースで話が進められるわけではなく、ラジオの人生相談などを耳にしていると、回答者が一方的にしゃべり、相談者がそれをずっと聴いている場面をよく見受けます。

ともすれば、相談者に対する理解不足や決めつけが生じることもあり得ます。

 

一方でカウンセリングとは、専門的な学習やトレーニング、経験を積んだカウンセラーによって行われる援助行為といえるでしょう。

カウンセラーは、心理学的な理論や技法を駆使してカウンセリングをおこない、科学的・臨床的な知見に基づいて、提案をしていきます。

人生相談が個人的見解やアドバイスが中心であるのに対し、カウンセリングは傾聴・共感が核になっていることも大きな特徴でしょう。

 

カウンセラーは、相談者を尊重して傾聴し、今の気持ちに共感することによって、やがて本人の自己探索を促し、自己決定を支えていきます。

カウンセリングの時間は明確に設定され、安全な場所が確保され、守秘義務が守られて、継続して行われます。

一方、メディア上での人生相談は、本人同意の上で相談内容が広く世間にオープンにされ、回数を重ねることはありません。

カウンセリングは相談者が主役になりますが、人生相談は、回答者の個性が前面に出て、回答者がどんなことを語るかがメインになっている気がします。

 

私自身は、カウンセリングの活動をしながらも、人生相談の味わいのあるコメントも好きで、特に美輪明宏さんの人生相談の本は長年愛読しています。

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美輪さんは、相談者に時に厳しく対しつつも常に温かい愛を注ぎ、差別や偏見に対する姿勢をはっきりと表明しています。

美輪さんの著書は、作品としてのクオリティーが非常に高く、読者は相談内容を我が身に置き換えて反芻し、読み物として楽しめる内容になっています。

カウンセリングと人生相談の違いを自分なりに説明してみましたが、いかがでしたか?

カウンセラーは美輪さんのように「もっと強く生きなさい」とは、まず言わないでしょう…

カウンセリングがもっと身近になり、誰でも気軽に受けられるようになってほしい。

カウンセリングの敷居をもっと低くしたいと思いながら、地道に活動をしていきたいと思います。

 

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傾聴カウンセラー  喜々津博樹

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傾聴カウンセラーという名称のこと

私はカウンセリングをおこなう際に、〈傾聴カウンセラー〉という名称を肩書きにして、活動をしています。

傾聴とは、文字通り、耳を傾けて、共感的に聴くことであり、相手のことを理解しようとする聴き方です。

傾聴は、カウンセリングの最も基本的で重要な要素であり、絶対要件ともいえます。

この傾聴を続けることで、相談者とカウンセラーとの間に信頼関係が生まれて、相談者は安心して自己の内面を見つめることができます。

 

私はカウンセリングを通じて、この「傾聴」という行為の大切さを肌で実感し、カウンセラーとして傾聴の態度を身につけておくとともに、傾聴という素晴らしい言葉をもっと世間に知ってほしいとの思いから、「傾聴カウンセラー」の名称を使っています。

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ところが、この〈傾聴カウンセラー〉という言葉。

カウンセラーは「傾聴力」を当然身につけておくべきであり、絶対要件なのだから、〈傾聴カウンセラー〉という言い方は、字義的に二重表現になってしまい、正しい言葉とはいえないのかも知れません。

それでも私は、傾聴カウンセラーという名前が好きで、何よりこの呼称がとてもしっくりくるのです。

傾聴カウンセラーの名を冠した協会が東京の調布にあり、会員の方々はとても楽しそうに傾聴を日々学び、実践しているようです。

 

相談者に寄り添い、親身になってお話を聴いて受けとめていく…

「聞く」ではなく、「聴く」。

傾聴という言葉が、もっともっと広まり、カウンセリングが社会に身近になってほしい。

名前に恥じないカウンセリング活動をこれからも続けていきたいと思います。

 

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傾聴カウンセラー   喜々津博樹

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