ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

体験文のご紹介・第1回〜カウンセリングの光と希望

ぱすてるのカウンセリングをご利用された方に、体験文を書いていただきました。

カウンセリングとは一体どんなものなのか?

実際に体験された方に語っていただくのが、カウンセリングを知ってもらうのに、とても身近で信頼できる方法だと思ったのです。

 

Twitterで募集をしたところ、早速文章を送ってくださる方がいらっしゃいました。

ご本人の承諾をいただき、このブログ上で体験文をご紹介させていただきます。

第1回目は、東京都にお住まいのポピーさんです。

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私がぱすてるさんのカウンセリングを受けたのは、今年の初め、冬の頃でした。
もう半年以上お世話になっていることになります。
私は、過去にも何度かカウンセリングを受けたことがありました。
スピリチュアル系のカウンセリングや、 臨床心理士さんの心理療法的なカウンセリングです。
どの体験も、その時の私にとっては必要なものだったと思います。


私にとってカウンセリングというのは、ほかの人に話せないことを話すということが一番の目的のような気がします。
問題を解決したいという気持ちももちろんありますが、それはカウンセラーさんに解決してもらうというのではなく、
話していくうちに自分の気持ちが整理され、 自分の中で解決の道が見えてくるものという感じです。
まずは自分の苦しみを少しでもなくしたい、楽な気持ちになりたいという感じです。


私も今年の初めにはじめてぱすてるさんにお会いした時には、だれにも言えない話を、ちゃんとカウンセリングを学んだ専門家に聞いてほしいという気持ちからでした。
私の話を良いか悪いか判断してほしいのではなく、 ただ聞いて受け止めてほしいという気持ちでした。
なぜならば、自分が悪いということは、だれにいわれるまでもなく、自分が一番よくわかっていたからです。
それが自分の思い込みだとしても、自分以外の人に自分の善悪を判断されることはきっとたえられなかったと思います。
ほかのだれか(自分の周りにいる人)に話したら、もしかしたら否定されてしまうかもしれない。
まずはただ誰かに聞いてほしいという気持ちでした。
当初の話と、今の話はつながっているところもあれば、 ぜんぜんちがうところもあるかもしれません。
でも、どのテーマも私の人生の一部と考えれば、一見全く違うようなテーマでもみんなつながっているのだとも思えます。


カウンセリングを受けることで私が一番変わったと思えるところは 、まずは頭のなか、思考でぐるぐるしてしまったということが、
まとまってきたというような感じがあります。
迷路にまよいこんでいた状況だったのが、まだ迷っているとしても先には光が見えてきているというような感じです。
どのくらいの時間がかかるかわからないけれど、 確実に光に向かっているという希望のような気持ちがあります。


私は16歳のころから、何人もの友人を自死で亡くしました。 その友人たちに共通していたことは、 孤独感だったのではないかと大人になった今思います。
孤独、ではなく、孤独感と書いたのは、本当は孤独ではなかったかもしれないけど、本人にとっては孤独としかいいようのない気持ちだったのではと思うからです。
自死で亡くなった方の周りの人は必ず「 話してくれればよかったのに・・・」ということを言います。
もし、話を聞いてくれる誰かに、話をしていたら、もしかして思いとどまってくれたかもしれない。 私もそう思いました。
そして、私自身も悩みが深くなったときには、 無理せずだれかを頼ろうと思うようになりました。
カウンセリングの利用のしかたも人それぞれだと思います。 深い悩みのときもあれば、些細なことにとらわれてしまうときとか。
こんな話をしていいのだろうかとか、 費用の問題とかいろいろあると思うけれど、
できる範囲で、まずは一歩踏み出してみて、 体験してみて私はよかったなと思っています。
ぱすてるさんのように、 無料のカウンセリングをしてくださっている方がいることは、 殺伐とした世の中の一筋の光だと思います。
ぱすてるさんが、ご自身の考え方で強い意志をもって活動されてることが感じられることも、私自身の勇気につながっていると思います。
たとえば今度私がカウンセリングを卒業するときがきたとしても、 またなにかあればいつでも戻れる場所があると思うことはとても安心感があります。
いつもありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

ポピー

 

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ポピーさん、文章をお寄せいただき、ありがとうございました。

体験文は、ご本人の許可をいただいた上で、これからも随時ご紹介させていただきます。

 

カウンセリングサロンぱすてる

傾聴カウンセラー 喜々津博樹

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カウンセリングと傾聴の違いとは?

最近、傾聴の活動やお話し会を個人でおこなっている方々と、オンラインを通じて出会う機会がありました。

このコロナの渦中、皆さんオンラインを活用して自由に独自に活動されており、とても楽しく新鮮で、親近感を感じました。

その方々は、距離を超えてお互いの話を聴いたり対話をしたりといった、傾聴活動や交流会を純粋に楽しんでいるようで、いわゆるカウンセリングを志向しているわけではないようです。

 

では、カウンセリングと傾聴のちがいとは何なのだろう、〈傾聴カウンセラー〉を名乗って活動している自分の立ち位置は何だろう?、という問いが自然と湧き上がってきて、ここで整理をしておきたいと思いました。

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まず最初に、傾聴とカウンセリングとは何ぞや、というところから書いてみます。

 

傾聴とは?

傾聴とは、相手の話に耳を傾けて熱心に聴く、相手のことを正確に理解しようとして、共感的に「聴く」ことでしょうか。

受け身のように「聞く」のではなく、取り調べるような「訊く」でもありません。

傾聴のスキルとマインドは日常生活や仕事上においても、大変役立つコミュニケーション作法であり、誰もがその基本を学んで、実生活で活用することが出来ます。

傾聴の効果には、安心感を得たり、自己理解、自己受容の促進、行動変容への展開、カタルシス効果などがあり、傾聴によって、信頼関係が築かれ、新たな気づき、変化が生まれます。

 

カウンセリングとは?

カウンセリングとは、人が抱える問題や悩みの解決のために、専門的な理論と方法に基づいて行われる援助行為です。

それは科学的・臨床的な知見に基づいた心理学的な援助を意味しており、カウンセラーは専門的な学習とトレーニング、十分な経験を積むことが求められます。

カウンセリングには実に多様な理論、方法があり、来談者中心療法、認知行動療法精神分析ゲシュタルト療法、箱庭療法など、一度はその名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

カウンセリングは傾聴を基盤としてすすめられることが基本であり、絶対要件となっています。ですからカウンセラーは、傾聴の態度と技法を身につけておくことが大前提になります。

ここまで書いてきて、傾聴とカウンセリング、それぞれの性質、重なり合う関係が見えてきたでしょうか。

 

カウンセリング・プロセス

そしてカウンセリングには、問題解決に向かうためのカウンセリング・プロセスが存在します。

カウンセリングの理論によってプロセスに違いはありますが、私が学んだ日本産業カウンセラー協会は、傾聴を核としたカウンセリングをおこなう上で、以下のようなプロセスモデルを明示しています。

 

〈カウンセリング・プロセス〉

① リレーションづくり(信頼関係の形成)

② 問題の把握(自己理解、自己探索)

③ 目標の設定(意思決定)

④ 目標の達成(方策の実行)

 

カウンセリングは、達成すべき具体的な目標を明確に持ち、その目標に向かって発展的かつ継続的に進んでいく、という体系的な方向性を持っています。

このカウンセリング・プロセスという援助過程を経て、

・問題行動や症状の改善

心理的な問題解決

・自己肯定感、自己効力感の増大

・対処能力の向上、ストレス耐性の増進

といった様々な効果につながります。

 

そして、相談に来られる方をなにより尊重し、本人の人間的な成長、社会の中で幸せに生きていくためのサポートをすることこそが、カウンセリングのメインテーマといえるでしょう。

 

傾聴カウンセラー

カウンセリングと傾聴の違い、両者のつながり、関係性というものが、少しは伝わりましたでしょうか?

私自身は、傾聴カウンセラーという肩書きを自分で作り、名乗っています。

傾聴を身につけるのはカウンセラーとして当然だとしても、この傾聴を日頃から大切にしていたい、身近に感じてもらいたい、という意志を名前に込めています。

傾聴を常に基本としながら、カウンセリングのプロセスを軸に据えて、カウンセリングをすすめていく…

カウンセラーとしての根源的な部分を大切にしながら、これからも活動を続けていきたいと思います。

 

カウンセリングサロンぱすてる

傾聴カウンセラー 喜々津博樹

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傾聴体験イベントをおこないました

昨日はいつものカウンセリングとは違う、傾聴体験イベントを初めておこないました。

 

タイトルは「聴くを楽しむ体験」。

参加者が聴き役となり、話し役である私の話、気持ちをオンラインで傾聴するイベントです。

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夏休み企画として開催したこのイベントは、私が産業カウンセラーの養成講座を受講した時に体験したロール・プレイがヒントになっています。

 

カウンセリングの実技講習では、受講生が聴き役と話し役の両方を経験することで、日常会話と傾聴の違い、相手の気持ちを受けとめて「聴く」とはどんなことなのか、傾聴のスキルと態度を、実践で学んでいきます。

「聞く」と「聴く」の違いを肌で体感できる、大変おもしろくも悩ましい?実習でしたが、カウンセリングを学ぶ受講生だけでなく、広く一般の人が体験できたら、〈傾聴〉を知るとてもいい機会になるんじゃないか、と思いました。

 

また、カウンセリングの活動を続けていく中で、相談に来られる方の中には、心理学や相談支援職、傾聴に関心を持つ方が少なからずいることがわかり、ご当人が話すだけでなく、「聴く」体験を持つことができたら、とても面白いのではないか、とも感じていました。

 

そうして初めて開催した体験イベント。

Twitterで告知をしたら、大変ありがたいことに定員4名の枠はすぐに埋まってしまいました。

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通信手段はZoomを利用し、話し役の私はビデオで顔を出しますが、聴き役の方は自由としました。

唯一のルールは、守秘義務を守ってもらうこと。これだけです。

傾聴の時間は30分間。その後の10分は、感想や雑談の時間となります。こちらからジャッジやアドバイスをしたりはしません。これは講義ではなく、聴くことを純粋に味わい、楽しむのがテーマですから。

その10分間の中では、最後にちょっとした楽しみ?がありますが、ここではまだ言えません…

 

参加者の方々からは、貴重な体験や学びになった、気づきがあったというご感想をいただき、開催してみてよかったと思いました。

話し役を務めた私自身が、まさに話を聴いてもらうことで、気分が軽くなって安堵したり、自分の癖に気づいたり、聴いてくれる方の応答や態度に大きく学ぶことがありました。

 

今回、参加したくても出来なかった方々のために、第2回目を早速準備しているところです。

 

追記:

第2回・聴くを楽しむ体験

8月16日(日)13時より開催。

 

カウンセリングサロンぱすてる

喜々津 博樹

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コロナの不安と向き合う

久しぶりのブログ更新となります。

コロナについて書きたいと思いつつ、あまりに話題が多すぎてまとまらず、時間が経ってしまいましたが、やはり書き留めておきたいという自分の欲求に従い、ようやく取りかかりました。

 

今年に入ってから、全世界に広がった新型コロナウイルス感染症の影響ははかり知れず、このブログを書いている5月9日の時点でも、世界の多くの国が活動を制限し、日本国内でも外出の自粛や移動の制限が続いています。

 

かつて経験したことのない局面に遭遇し、誰もが不安や恐怖、息苦しさを抱えながらの日々を送るようになりました。

医療機関が深刻な危機に見舞われ、世の中のあらゆる場所、店舗、機関が甚大なダメージを受けて、かつてない生活不安、経済危機にも直面しています。

 

このような未曾有の状況の中で、私たちはこの不安や恐怖とどう向き合っていったらよいのか、自分なりにずっと考え、いまいちど整理を試みてみました。

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①不安の要素を挙げてみる

なぜ、これほどまでに不安を感じるのか、今更ながら、ひとつひとつ書き出してみました。

 

・いのち・健康が失われる恐怖

・生活・仕事が脅かされる不安

・身内や友人と対面で会えない孤独感

・感染が全世界規模に拡がっている

・終わり(収束)が見えない、わからない

・ウイルスは目に見えない、確認できない…

 

これまでの大規模災害や病気とは明らかに異なる要素、重なる部分、コロナウイルス特有の性質、問題を整理し、コロナによって何が引き起こされているのか、もう一度把握してみます。

私は感染の不安が広がり始めた時に、まず思い浮かべたのは、9年前の東日本大震災原発事故による放射能漏れの、言いようのない恐怖と不安でした。

 

②自分自身の状態を知る

カウンセラーの傾聴における基本的な態度に「自己一致」というものがあります。

カウンセラーは傾聴する際に、自分の状態、内面に気づく必要があります。自身をありのままに受けとめ、動揺したり影響を受けることがあり得ることに気づいていること。これが自己一致の状態です。

気づいていれば、感情に巻き込まれたり、動揺することに対して、素早く冷静に対処し、落ち着いて対応できるようになるのです。

 

私がこの感覚を感じたのは、感染が拡がり始めた時に起きた、トイレットペーパーをはじめとする日用品の買い占めです。

不安が不安を呼び、デマが拡散されて、瞬く間に人々が買い占めに走りました。

あの時、私は不安を抱き、この先を心配しながら、情報の不確かさに疑問を抱き、買い占めに走ることなく冷静でいられました。

ニュースで買い占めの様子を知った時に、「こんな恥ずかしい、下品なことは出来ないな」とも思いました。

 

動揺したり不安になる自分を否定せずに、今自分がどんな状態にあるかを知ること。

自分の今の気持ちと向き合い、受けとめてみる。

そして、どんな行動を取るのが一番いいのか、落ち着いて考えること。

コロナで、自己一致の大切さをあらためて学んだように思います。

 

③差別・偏見・無関心への怒り

コロナにまつわる様々な事態の中で、自己一致と関連して私がとても想いを巡らしたテーマが、感染者への差別や偏見、そして自分自身も含めた、感染に対する意識の低さ、無関心への怒りの感情でした。

 

差別、偏見はすでに社会的にも大きな問題となっているように、感染者への差別や攻撃的な態度、未感染の人に対して感染を疑ったり揶揄するような、尊厳を傷つける言動です。

差別と偏見が露わになる社会への怒りが沸々とこみ上げてきました。

 

無関心は、感染予防に対する意識の低さです。私の場合、3月は都心に友人と飲みに行ったり、マスクを徹底しない日があったりと、かなり意識が薄かったな、と反省することしきりです。

「ウイルスをばらまく」といって、信じられない行動をとる人間もメディアで報道されました。

 

身近な差別や偏見への怒り、そして内省の気持ちが大きくなり、こんな状況で、自分はどういう行動をとるべきなのか、社会はどうあるべきなのか、じっくりと考える機会が生まれました。

 

ここまで書き留めてきた3つの視点は、このコロナの不安と、どう付き合っていったらよいのか、カウンセラーとしての見方も織り混ぜての私なりの向き合い方です。

こうして綴りながら、私自身が自分の不安な気持ちを整理したいのだと思います。

そして、コロナによって新たに見えてきた価値観も感じ始めています…

 

カウンセリングサロンぱすてる

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カウンセラーの応答・クイズアンケートの結果

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先日、Twitterでカウンセリングについてのクイズアンケートをおこなってみました。

カウンセラーがどんな応答をカウンセリングで実際するのかをクイズ形式でたずねてみたのです。

このクイズで、カウンセリングをより身近に知ってもらいたかったのですが、たくさんのご回答をいただき、とても興味深い結果が出ましたので、このブログであらためてご報告したいと思います。

 

クイズはこんな感じです。

カウンセラーがカウンセリングでこんな相談を受けた時、まずどんな応答をすると思いますか?

「会社に行けないんです。どうしたらいいでしょう?」

 

① 無理に行かなくていいんですよ…

② 行けない理由は何ですか?

③ 職場で嫌なことがあったのですね。

④ どうしたらいいのか、悩んでいるのですね…

 

いかがですか。

あなたがもしカウンセラーなら、相談者の問いかけにまずなんて答えるでしょう?

このクイズを思いついたのは、カウンセリングと日常会話の違いや、カウンセラーが身につけている傾聴の基本的な態度というものを、とてもわかりやすく伝えられると思ったからです。

 

Twitterのアンケート機能を使い、投票期間は2日間。たった2日で、108票もの回答をいただきました。

以下が、回答結果となります。

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6割以上の方が、

④ どうしたらいいのか、悩んでいるのですね…

を選ばれました。

まさしくその通り、最もふさわしい応答は、④になります。

今回のクイズの回答者は、カウンセラーとしてTwitterを利用している私のフォロワーの方が中心で、カウンセリングをすでに受けていたり、カウンセリングや心理学に関心の高い方が多いと推測されますので、正答率がとても高くなりました。

 

カウンセラーが傾聴をおこなう際に、身につけておかねばならない基本的な態度には、以下の3つがあります。

 

・自己一致

・受容(無条件の肯定的配慮)

・共感的理解

 

これらの態度、姿勢を基盤としてカウンセリングがおこなわれることで、相談者は安心して悩みを話すことが出来ます。

この基本的な態度のうち、受容と共感的理解を最も踏まえた応答が④になります。

カウンセラーは、相談者がいま現在抱いている気持ちをまず受けとめて、共感的に相談者の言葉を伝え返していきます。

一方で①と③については、相談を受ける側の決めつけや憶測、先入観が入っており、カウンセリングというよりも日常会話で、つい相手に言ってしまいがちなセリフではないでしょうか。

②は、受容と共感を経て、相談者との信頼関係が作られてから進む質問であり、関係ができれば、相談者自ら語り始める内容かも知れません。

 

カウンセリングとは何か?

その一端でも、楽しみながら知っていただけたら嬉しく思います。

自己一致については、機会をあらためてご説明できればと思っています。

カウンセリングをもっと身近に。

 

カウンセリングサロンぱすてる

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青木ヶ原樹海を歩いてきました

暮れも押しせまった先日、山梨県の富士山麓青木ヶ原樹海を訪ねてきました。

青木ヶ原樹海は、今なお自殺者の多い地域として知られています。

私がその深刻さを知ったのは、今から10年ほど前でしょうか、富士樹海で自殺する人があまりに多いため、地元で自殺防止のネットワーク組織が作られ、その様子をテレビで偶然見た時でした。

自殺未遂の男性が、樹海入口の駐車場で警察に保護されている姿が映し出され、その光景が今もはっきりと目に焼きついています。

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私がカウンセリングの活動を始める動機となったのが、神奈川県座間市で起きたアパート遺体遺棄事件、そして電通元社員の高橋まつりさんの過労自殺です。

いずれも、若く尊い命が理不尽な理由で失われてしまった、あまりに悲しい社会的な事件でした。

自殺を考えている人にカウンセラーが直接向き合い、命をつなぎとめる場所…

自殺多発の地点で、企図者に声をかける活動をいつしか模索するようになっていました。

 

師走の29日、東京でレンタカーを借りて中央自動車道を走り、河口湖インターで下りて国道139号線へ。西湖コウモリ穴の駐車場に車を止めました。

ここはすでに青木ヶ原樹海に面しており、広大な樹海が広がり、その中を遊歩道が通っています。

駐車場からまず南に向かって遊歩道や車道を進み、国道を横切って鳴沢氷穴へ。

この鳴沢氷穴は駐車場と売店があり、大変な人の賑わいで、外国人がとても多い印象。それまでの静寂とはかけ離れていました。

売店の奥に遊歩道が延びていますが、その入口に、自殺企図者へ呼びかける看板が目に入ってきます。

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富士山の溶岩で形成された、樹海独特の森林地帯の中を進みます。ここから富岳風穴までの道は、ゆるやかなアップダウンを繰り返し、最近降った雪が、地面にだいぶ残っていました。

富岳風穴にも広い駐車場と売店、喫茶スペースがあり、バス停を降りて、ここから樹海に入る人も多いようです。

私が今回、力を入れて歩いたのはこの富岳風穴周辺の遊歩道です。

観光客で賑わっていた風穴から離れ、樹海の道に入っていくと、人はぐんと減って急に静かになります。

この道をこれまでいったいどれだけの自殺企図者が、どんな思いで、歩いていったのか…

樹海の森は、冬でも緑が多く、美しい苔で覆われた原生林が目につきます。そして、無数の細かい起伏が連なって大地が形成されていることに気づかされます。

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人の気配はまったくなくなり、静寂が支配する森。企図者ともし出会ったら、どんな言葉をかけたらいいのか…

場所によっては地面が白い雪に覆われ、雪の上には鹿が歩いたと思われる跡がついています。

数時間にわたり森の中をを歩きましたが、結局この日はそれらしき人に出会うことはありませんでした。

しかし遊歩道のすぐ脇に、2輪ほどの花と果物が2つ供えられているのに気づきました。そんなに日も経っていない様子です。

その場所で、静かに手を合わせました。

レンタカーを止めてあるコウモリ穴の駐車場まで戻り、帰りは河口湖畔を走り、東京への帰途につきました。

 

青木ヶ原樹海をゆっくりと歩くのは初めてでしたが、あらためて富士山麓の自然の奥深さを感じるとともに、この地で自死した人たちの魂に思いを馳せる旅となりました。

この活動は、これからも地道に続けていこうと思っています。

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カウンセリング・アンケート第2弾

Twitterでのカウンセリング・アンケート第2弾をおこないました。

前回は、カウンセリングを受けてみたいか、否か?というアンケートでしたが、今回は、その結果を受けての第2回目です。

私にとっては予想外の結果となり、またも大変興味深い内容でしたので、ぜひご報告したいと思います。

質問

「あなたが、心理カウンセリングを受けてみようと思う時、どんな方法で受けたいと思いますか?」

 

選択肢は、以下の4つです。

・対面

・電話・オンライン

・メール

SNS(DMなど)

 

カウンセリングを受けるにあたっては、およそ上記の方法のいずれかになるかと思います。

対面が一番基本的な形式ですが、電話やメールによるカウンセリング、相談もよくおこなわれています。

最も新しい形が、4つめのSNSを介してのカウンセリングでしょう。

LINEやTwitterのDM(ダイレクトメッセージ)を使ってのやりとりが、カウンセリングにも利用されてきています。

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今回のアンケートの趣旨は、相談者がカウンセリングを受ける時に、どんな方法を最も望んでいるのかを知りたい、というものでした。

その要望に対応した準備を、カウンセラーとして整えておきたいと思ったのです。

 

このアンケートを始める時、私はおそらく電話・オンラインや、SNSによる方法が、かなり票を伸ばすだろうと予想していました。

コミュニケーションの密度が濃い対面カウンセリングは、最近はむしろ求められにくいのではないか?

なぜなら、私のカウンセリングを受けられる相談者の方々は、まさにオンラインによる通話や、SNSを介しての相談がとても多いからです。

対面を希望する人は、数としては少ない方なのです。

 

果たして結果は…

私の予想はあえなく外れました。

【集計結果】

投票期間:3日間

投票数:71票

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対面が実に半数以上を占め、電話・オンラインは、対面の半分にも満たないのでした。

SNSがメールを上回る結果となり、これはまさに今の時勢を反映しているように思えます。

 

カウンセリングの最も基本的なスタイルである、対面方式。

やはり相談者は、目の前にいる人間に、自分の気持ち、悩みを話したい、吐き出したいと思うのでしょうか。

カウンセラーにとっても、カウンセリングの基本はあくまでも面接であり、相談者の仕草や表情、視線といった言葉以外の部分をつぶさに観察することが、相談者を理解する上でとても大切になってきます。

 

私は東京の池袋という場所で対面カウンセリングをしています。

そして、電話カウンセリングのお申し込みを受けるのは、東京から遠く離れた地で暮らす方々からです。

もし、その方々が身近な場所でカウンセラーと接する機会に恵まれたなら、おそらく地元で対面によるカウンセリングを受けているのかも知れません。

私はTwitterを通じて相談者と出会う機会が多いので、場所を選ばない電話やSNSのカウンセリングが、たまたま多いだけなのかも知れないのです。

今回のアンケートは、相談者が望んでいるカウンセリングの方法を知り得る貴重な機会となり、カウンセリング方法の原点について教えてくれました。

アンケートにご協力いただいた方にあらためて、お礼を申し上げます。

次回の投票は、ゆるい趣味の話題でやってみたいですね。

 

カウンセリングサロンぱすてる

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カウンセリングのアンケートをおこないました

先日、Twitterにてカウンセリングに関するアンケートを行なってみました。

その結果が大変興味深いものだったので、ご報告したいと思います。

Twitterでアンケート機能を使うのは初めてでしたが、途中経過を見ていくのは大変楽しく、またリツイートしてくれた方が何人もいて、予想を遥かに超える票が集まったことはとてもありがたいことでした。

質問内容は極めてシンプルなものです。

 

「カウンセリングを受けてみたいか、受けたくないか?」

 

回答者は、Twitterの利用者で、アンケートをご覧いただいた方。

心理カウンセリングを受けた経験があるかどうかは問わず、誰でも参加できます。

設問は、以下の4択から選んでいただきました。


〈カウンセリングを〉

・受けてみたい

・受けたいけれど、不安

・受けたくはない

・過去に苦い体験をした


質問の意図には、主に以下の要素がありました。

・カウンセリングの需要は、果たしてどれぐらいあるのか?

・カウンセリングに対する敷居は高い?

・過去にカウンセリングを受けたことがある人の実態はどうなのか?


2択ではなく、設問を4つにしたのは、カウンセリングに対する心理的な負荷を知りたかったからです。

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【集計結果】

投票期間:4日間

投票数:109

〈カウンセリングを〉

・受けてみたい       39%

・受けたいけれど、不安   31%

・受けたくはない      8%

・過去に苦い体験をした   22%


以上の結果となりました。

100人以上もの方がアンケートに参加してくれて、とても嬉しく思いました。


カウンセリングを受けたいと考えている人は、回答者の約4割。

受けたいけれども、不安だと感じている人が3割にものぼります。

この数字は、カウンセリングを受けることの心理的負担が、少なからずあることの証左に思えます。

受けたくない、と答えた方が1割に満たないということは、カウンセリングへの潜在需要の高さにつながるのではないかと感じました。


そして私が驚いたのが、過去にカウンセリングを受けて、苦い体験をした人が少なからずいるという事実でした。

なぜこの質問を入れたかといえば、カウンセリングの話をしていて、

・カウンセラーから、傷つくことや余計なアドバイスを言われた

・期待して受けたが、たいして変わらなかった…


といった声をしばしば耳にすることがあったからです。

アンケートの結果から、カウンセリングを受けたものの、相談者にとっては必ずしも良い方向には進まなかった事例が少なからずあるのだ、と思いました。

その要因は検証が必要だと思いますが、カウンセラーの質の問題や、カウンセリングそのものに対する認識の相違などが含まれているのかも知れません。

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私はカウンセリングをもっと身近にしたい、との思いでカウンセリングの活動をしていますが、今回のアンケートは、これからカウンセリングを広めていくために、どんなことをしたらよいのか、そのヒントをたくさん与えてくれたように思います。

全体としては、7割にも及ぶ方がカウンセリングを受けたいと思っていることがわかり、カウンセリングが多くの人に必要とされていることが確認できて、とてもよかったです。


アンケートにご協力いただいた方にあらためてお礼申し上げます。

第2弾も早速考えておりますので、その節はどうぞよろしくお願いします。


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八ヶ岳の森を歩いてきました

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先週末、長野県の北八ヶ岳・白駒池を散策してきました。

9月に入り、やっと山に出かける機会を持てたのです。

早朝、練馬でレンタカーを借りて、中央自動車道を一路、西へ。

諏訪インターで降り、茅野市を抜けて、国道299号線のメルヘン街道を登っていくと、八ヶ岳の北部山域に入り、標高2120メートルの麦草峠に到着しました。

 

あたりは原生林の深い森が広がる、とても美しいエリアです。

この付近は、学生時代に山登りで何度も訪れた思い出の地でもあります。

峠から少し東に下ったところにある駐車場に車を停め、出発。

ゆるやかな登山道を進み、高見石小屋という小さな山小屋のあるところまで登ると、近くの岩場からは素晴らしい展望が望めました。

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眼下の森の中にぽっかりと見える白駒池、遠くには浅間山の連峰、佐久の盆地が見渡せます。

 

眺望を満喫した後は、白駒池に下り、池の周りを散策。

原生林の樹間を緑の苔が覆い、湖面は風で静かに波を打っています。

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昔に比べて、木道や新たな看板が目立ち、俗臭が増していましたが、変に観光地化されていないのが、救いです。

9月の初旬、山はまだまだ夏の雰囲気でしたが、赤とんぼが飛び交い、小さなキノコをいくつも発見して、小さな秋を感じました。

駐車場に戻り、休日の短いハイキングを終えました。

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初めて八ヶ岳を訪れてから、もう30年の月日が経ちますが、人工物が増えたとはいえ、山そのものは何ら変わっていないな、としみじみ感じました。

北八ヶ岳は、山や自然の好きな人、そんなでもない人でも優しく包み込んでくれる、静かな山です。

今度来るときは、人のもっと少ない晩秋に、ゆっくりと訪れたいと思いました。

 

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探していた本を古本屋さんで見つけました

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東京は中野区沼袋の古本屋さんで、ずっと探していた本を見つけました。
小学生の頃に読んだ『学習漫画・日本の歴史  町人の世の中〜江戸時代中期』。

出版社名や表紙を覚えていなかったので、ネットで検索していてもまったく見つけられませんでしたが、街の古本屋さんで、偶然出会うことが出来たのです。

集英社から刊行された1982年の作品で、いつの間にか処分してしまい、後になってから悔やみました。

この学習漫画では、東海道五十三次や大坂の商人、赤穂浪士の討ち入りなどが出てきて、江戸時代中期の出来事や事件、元禄文化の様子を楽しく知ることが出来ます。

小学6年生のわたしがとても惹きつけられたのは、最後の章に登場する松尾芭蕉の『奥の細道』でした。

 

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芭蕉曾良の二人の旅の様子が、漫画でとても綺麗に描かれていて、何度も何度も読み返していました。

今思えば、旅への憧れや冒険心の芽生え、歴史や史跡めぐりに興味を抱くきっかけを、この漫画が作ってくれたのかも知れません。

 

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芭蕉俳諧」の章、このひとコマの絵がずっと忘れられず、もう一度見れたらと思っていました。

12歳の少年にも、こういう絵はとても胸に響いてきます。

子どもの頃に体感した絵や風景は、心の中にいつまでも、いつまでも息づいている気がするのです。

 

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