ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

カウンセリングと人生相談の違いとは?

ブログできちんと書きたいと思っていた「カウンセリングと人生相談の違い」について、今回は綴りたいと思います。

私は昔から、新聞や雑誌の身の上相談コーナーや人生相談の本を読むのが好きで、美輪明宏さんの著作をたくさん持っていますし、毎日新聞の人生相談の欄によく目を通します。

しかし、カウンセリングの勉強をするようになってから、カウンセリングと人生相談は似ているけれども、やはり大きな違いがあると実感するようになり、そのあたりのことを整理しておいた方がいいなと思いました。

また、両者の違いを伝えることで、カウンセリングをもっと知ってもらう機会にもなると思いました。

 

まず、カウンセリングと人生相談の似ているところを挙げるとすると、その相談の内容が共通していることでしょうか。

相談者はある問題に直面して、苦しい気持ちを抱えて悩み、どうしたらよいのか、迷っています。

人間関係や仕事の悩み、恋愛や結婚、就職、生活、お金、家族、病気のこと…

人の悩みは実にさまざまですが、それは人生相談もカウンセリングも根本的に変わりません。

では両者の違いとは何でしょうか。

それは、相談に対する関わり方にあります。

 

人生相談は、回答する人の個人的な価値観や人生経験によるアドバイスを中心に構成されています。かならずしも学問的な裏づけや、専門的な理論に基づいているわけではありません。

相談者のぺースで話が進められるわけではなく、ラジオの人生相談などを耳にしていると、回答者が一方的にしゃべり、相談者がそれをずっと聴いている場面をよく見受けます。

ともすれば、相談者に対する理解不足や決めつけが生じることもあり得ます。

 

一方でカウンセリングとは、専門的な学習やトレーニング、経験を積んだカウンセラーによって行われる援助行為といえるでしょう。

カウンセラーは、心理学的な理論や技法を駆使してカウンセリングをおこない、科学的・臨床的な知見に基づいて、提案をしていきます。

人生相談が個人的見解やアドバイスが中心であるのに対し、カウンセリングは傾聴・共感が核になっていることも大きな特徴でしょう。

 

カウンセラーは、相談者を尊重して傾聴し、今の気持ちに共感することによって、やがて本人の自己探索を促し、自己決定を支えていきます。

カウンセリングの時間は明確に設定され、安全な場所が確保され、守秘義務が守られて、継続して行われます。

一方、メディア上での人生相談は、本人同意の上で相談内容が広く世間にオープンにされ、回数を重ねることはありません。

カウンセリングは相談者が主役になりますが、人生相談は、回答者の個性が前面に出て、回答者がどんなことを語るかがメインになっている気がします。

 

私自身は、カウンセリングの活動をしながらも、人生相談の味わいのあるコメントも好きで、特に美輪明宏さんの人生相談の本は長年愛読しています。

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美輪さんは、相談者に時に厳しく対しつつも常に温かい愛を注ぎ、差別や偏見に対する姿勢をはっきりと表明しています。

美輪さんの著書は、作品としてのクオリティーが非常に高く、読者は相談内容を我が身に置き換えて反芻し、読み物として楽しめる内容になっています。

カウンセリングと人生相談の違いを自分なりに説明してみましたが、いかがでしたか?

カウンセラーは美輪さんのように「もっと強く生きなさい」とは、まず言わないでしょう…

カウンセリングがもっと身近になり、誰でも気軽に受けられるようになってほしい。

カウンセリングの敷居をもっと低くしたいと思いながら、地道に活動をしていきたいと思います。

 

カウンセリングサロンぱすてる

傾聴カウンセラー  喜々津博樹

https://www.salon-pastel.net/