先月30日、埼玉県の狭山市でアサーティブ・コミュニケーションの研修をおこないました。
このアサーティブ・コミュニケーション(アサーション)は、日常生活において、とても身近で大切なコミュニケーションだと感じていて、私が力を入れている研修のテーマのひとつでもあります。
アサーションはアメリカの心理学者が開発した行動療法のひとつで、自分も相手も大切にする自己表現のことです。
コミュニケーション・スキルとして紹介されることもありますが、スキルだけではなく、自分と相手をともに尊重するという相互尊重の考え、マインドがなにより大切で、作法にも通じる自己表現だと私は感じています。
アサーションは生活、仕事のさまざまな場面でおこなう機会があります。
お願いする時、交渉する時、怒る時、お断りする時、承諾する時、謝る時、クレームを受けた時…
研修では、実際にどんな時にアサーティブな表現、行動をするのかを具体的な事例を挙げて説明していきます。そして、アサーティブではない表現、行動も合わせて紹介します。
アサーションの研修の楽しいところは、日常生活の身近な例が色々と出てきて、参加者の方々がご自身の日頃の経験と重ね合わせながら学べることでしょう。
研修の後半では、アサーティブな表現、会話を実際に体験してもらいます。理論だけでなく、対面による体験ワークを通じて、アサーションを身近に感じてもらえるような内容を心がけています。
先日の研修は、市民後見人や生活支援員として活動している市民の方々が対象でした。
とても真剣に講義を聴いていただき、体験ワークも熱心に、楽しそうに取り組まれているのが印象的でした。
終了後に私にじかに感想を伝えに来てくださる方々もいらして、準備に時間をかけてきてよかった、としみじみ思いました。
私がアサーティブ・コミュニケーションの研修に力を入れているもうひとつの理由は、アサーションを通じて、自分自身をより知ることにつながるからです。
アサーションは相手に対して自分を表現することなので、自分の気持ち、考え、状態にまず向き合うことでもあります。
自分の気持ちや考えがよくわからなかったり、曖昧だったり、適切な表現の方法を知らないと、伝えたいことが相手に正確に届かなかったり、関係を築いていくことが難しくなってしまいます。
そして、自分を知ることは、相手を知ること、相手を受けとめて理解しようとする態度、行動につながっていきます。
色々な公的機関や支援機関を回っていて、アサーションという自己表現をまだまだ広げていく余地を感じています。
カウンセラーとして、一支援者として、コミュニケーションや自己理解の研修を、もっともっと広めていきたいという活力が、今みなぎっています。
カウンセリングサロンぱすてる
行動支援カウンセラー 喜々津博樹