ひきこもり訪問支援 ぱすてる

カウンセリングとひきこもり支援、日々の思いを気ままに綴っています。

過去を捉え直すという体験

お盆が過ぎたばかりの8月の週末。中野区の若者たちのための居場所で、お話をする機会がありました。

声をかけていただいたのは、若者フリースペース「まごころドーナッツ」のスタッフの方から。

「はたらく大人と出会う会」というプログラムの中で、仕事や日頃の活動、これまでの歩みなど、自分の経験談を若者たちの前で話し、対話交流するという企画でした。

 

フリースペースに来る若者は、中野区に在住、在勤、在学している39歳までの人たち。働いている方もいれば、これからどう生きていこうかと模索している方、ひきこもりがちな方など、実にさまざまです。

そんな若者たちにどんなお話をするのがいいのだろうかと、考えを巡らす日々が続きました。

「はたらく大人と出会う」というタイトルなので、仕事とは?はたらくとは?というテーマを軸に、実体験を交えて自分の考え、気持ちを率直に話そうと思っていました。

そしてごく自然と、働き始める遥か手前の、自分の生い立ち、幼少期のことなどをふり返ることとなり、自分が育った環境やこれまで出会った人たちについて、思い起こしていく時間がおとずれました。

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過去の自分や時間をふり返るという行為は、今のカウンセラーという仕事において、またさまざまな機会においても、これまで度々おこなってきたことですが、今回あらためて人前で話す、伝える、という役割を与えられて、いま一度、子どもの頃や学生時代のことをゆっくりと思い返してみました。

 

すると、遠い過去の出来事や事件、出会った人々が、次々と断片的な映像や場面、言葉となって浮かび上がり、あれはどういうことだったのだろうと、考えてみたくなりました。

 

過去の事実、出来事自体はまったく変わっていないのに、それに対して自分の意識が、捉え直しをし始めていることに気づいたのです。

とりわけ、私が幼少期や思春期に身近に見聞きした、社会を揺るがすような事件については、しばらく記憶から遠ざかっていたにもかかわらず、今になってまざまざと思い出し、事件の経緯や背景、真実をじっくりと調べてみたいという思いが湧き上がりました。

 

また身近な家族の存在、少年期に触れた親のふるまいが、どれだけ自分に深く影響を与えていたのか、出会ってきた友人、先輩たちからも、いかに大きな影響を受けてきたのかということも、実感として感じとるようになりました。

 

過去は決して変えられないけれど、その過去を自分がどのように捉えていくのか、どのように向き合っていくのかで、いま、これからを、自分らしく生きていくためのヒントを得られるように思いました。

 

お話の当日は、フリースペースの若者だけでなく、私が最近出会った地域のご家族、支援者の方もわざわざ足を運んでくださり、楽しく交流することが出来ました。

貴重な機会を作ってくれた、まごころドーナッツのスタッフの方々には深くお礼を申し上げます。

暑い暑いひと夏の思い出を大切に、一歩一歩、自分のペースで歩んでいこうと思います。

 

カウンセリングサロンぱすてる

行動支援カウンセラー 喜々津博樹

https://www.salon-pastel.net/