ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

コロナの不安と向き合う

久しぶりのブログ更新となります。

コロナについて書きたいと思いつつ、あまりに話題が多すぎてまとまらず、時間が経ってしまいましたが、やはり書き留めておきたいという自分の欲求に従い、ようやく取りかかりました。

 

今年に入ってから、全世界に広がった新型コロナウイルス感染症の影響ははかり知れず、このブログを書いている5月9日の時点でも、世界の多くの国が活動を制限し、日本国内でも外出の自粛や移動の制限が続いています。

 

かつて経験したことのない局面に遭遇し、誰もが不安や恐怖、息苦しさを抱えながらの日々を送るようになりました。

医療機関が深刻な危機に見舞われ、世の中のあらゆる場所、店舗、機関が甚大なダメージを受けて、かつてない生活不安、経済危機にも直面しています。

 

このような未曾有の状況の中で、私たちはこの不安や恐怖とどう向き合っていったらよいのか、自分なりにずっと考え、いまいちど整理を試みてみました。

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①不安の要素を挙げてみる

なぜ、これほどまでに不安を感じるのか、今更ながら、ひとつひとつ書き出してみました。

 

・いのち・健康が失われる恐怖

・生活・仕事が脅かされる不安

・身内や友人と対面で会えない孤独感

・感染が全世界規模に拡がっている

・終わり(収束)が見えない、わからない

・ウイルスは目に見えない、確認できない…

 

これまでの大規模災害や病気とは明らかに異なる要素、重なる部分、コロナウイルス特有の性質、問題を整理し、コロナによって何が引き起こされているのか、もう一度把握してみます。

私は感染の不安が広がり始めた時に、まず思い浮かべたのは、9年前の東日本大震災原発事故による放射能漏れの、言いようのない恐怖と不安でした。

 

②自分自身の状態を知る

カウンセラーの傾聴における基本的な態度に「自己一致」というものがあります。

カウンセラーは傾聴する際に、自分の状態、内面に気づく必要があります。自身をありのままに受けとめ、動揺したり影響を受けることがあり得ることに気づいていること。これが自己一致の状態です。

気づいていれば、感情に巻き込まれたり、動揺することに対して、素早く冷静に対処し、落ち着いて対応できるようになるのです。

 

私がこの感覚を感じたのは、感染が拡がり始めた時に起きた、トイレットペーパーをはじめとする日用品の買い占めです。

不安が不安を呼び、デマが拡散されて、瞬く間に人々が買い占めに走りました。

あの時、私は不安を抱き、この先を心配しながら、情報の不確かさに疑問を抱き、買い占めに走ることなく冷静でいられました。

ニュースで買い占めの様子を知った時に、「こんな恥ずかしい、下品なことは出来ないな」とも思いました。

 

動揺したり不安になる自分を否定せずに、今自分がどんな状態にあるかを知ること。

自分の今の気持ちと向き合い、受けとめてみる。

そして、どんな行動を取るのが一番いいのか、落ち着いて考えること。

コロナで、自己一致の大切さをあらためて学んだように思います。

 

③差別・偏見・無関心への怒り

コロナにまつわる様々な事態の中で、自己一致と関連して私がとても想いを巡らしたテーマが、感染者への差別や偏見、そして自分自身も含めた、感染に対する意識の低さ、無関心への怒りの感情でした。

 

差別、偏見はすでに社会的にも大きな問題となっているように、感染者への差別や攻撃的な態度、未感染の人に対して感染を疑ったり揶揄するような、尊厳を傷つける言動です。

差別と偏見が露わになる社会への怒りが沸々とこみ上げてきました。

 

無関心は、感染予防に対する意識の低さです。私の場合、3月は都心に友人と飲みに行ったり、マスクを徹底しない日があったりと、かなり意識が薄かったな、と反省することしきりです。

「ウイルスをばらまく」といって、信じられない行動をとる人間もメディアで報道されました。

 

身近な差別や偏見への怒り、そして内省の気持ちが大きくなり、こんな状況で、自分はどういう行動をとるべきなのか、社会はどうあるべきなのか、じっくりと考える機会が生まれました。

 

ここまで書き留めてきた3つの視点は、このコロナの不安と、どう付き合っていったらよいのか、カウンセラーとしての見方も織り混ぜての私なりの向き合い方です。

こうして綴りながら、私自身が自分の不安な気持ちを整理したいのだと思います。

そして、コロナによって新たに見えてきた価値観も感じ始めています…

 

カウンセリングサロンぱすてる

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