2月末から3月初旬にかけて、地元の練馬区で催された「ゲートキーパー養成講座&フォローアップ研修」に参加しました。
ゲートキーパーの講座は、自殺防止をカウンセリング活動の原点にしている自分にとって、ぜひ参加したいと思っていた講座で、そのタイミングをこの春にようやく掴むことが出来ました。
ゲートキーパーとは「いのちを守る門番」、つまり自殺を未然に防ぐために、悩みを抱える人に身近に寄り添い、支援する人のことです。
海外でも自殺対策として広く使われている言葉ですが、日本では厚生労働省をはじめとして、主に行政・公的機関で使われている言葉で、まだまだ一般に浸透している感じはしません。
ゲートキーパーは資格や職業名ではなく、また支援に携わる人だけが名乗るものでもなく、誰でもその内容と役割を知り、ゲートキーパーとして行動することができます。
日本では、2006年に自殺対策基本法が制定され、自殺が個人だけの問題ではなく、心理的に「追い込まれた末の死」であり、社会の問題であることを国が明確にしています。
2007年には自殺総合対策大綱が作られ、その中にゲートキーパーの養成も施策として掲げています。
今回私が参加した練馬区の講座は、2回にわたり行われ、初回は入門編として、ゲートキーパーの具体的な役割、傾聴の基本を簡単なワークで学びました。
2回目は実践編(フォローアップ研修)として時間を拡大し、事例の紹介やゲートキーパーとしての心構え、対応方法を学び、少人数でのロールプレイもおこなわれました。
自殺対策については私自身、さまざまな本や資料に日頃から目を通していますが、このような講座に参加するメリットは、まだまだ自分が知らなかった知識や情報に触れることが出来て、ネットではわからない生きた知見を得られることでしょう。
とても身になる体験でしたが、行政の講座ということもあり、平日昼間の開催、参加者の大半はご年配の女性であり、若者・男性が非常に少ないことは気になりました。
2021年の1年間に日本で自殺で亡くなった方は、21,007人。毎日60名近くの方が自ら命を絶っています。
対して、交通事故で亡くなった方は、2,636人。自殺者の約8分の1です。
ゲートキーパーは、専門家ではなく誰もがなれる、この社会にとても身近で必要な人間です。
あなたもぜひ、ゲートキーパーに。
カウンセリングサロンぱすてる
傾聴カウンセラー 喜々津博樹