ひきこもり訪問支援 ぱすてる

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スマイリーキクチさんのこと

お笑い芸人のスマイリーキクチさんとのご縁を今回は書きたいと思います。

 

スマイリーキクチさんは、お笑いタレントとして活動していた1999年、ネット上で全く身に覚えのない殺人事件の犯人であるというデマを流され、その後長きに渡って、誹謗中傷や脅迫を受け続けてきました。

キクチさんは被害を警察に相談しましたが、捜査は進まず、匿名による誹謗中傷は酷くなっていきます。

それでも決して諦めずに、警察署の刑事課を訪ねたことで捜査が大きく進展し、中傷、脅迫した人物たちの身元が特定され、一斉摘発されました。

 

現在キクチさんは芸能活動を続けながら、一般社団法人を設立して、インターネットの危険性や対処法、人権・情報モラルについて発信する活動をされています。

10月21日、そのキクチさんの講演を埼玉県の朝霞市で初めて聴く機会に恵まれました。

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スマイリーキクチさんを生で見るのは実は2回目になります。

初めてその姿に間近に接したのは、昨年2021年の9月。木村響子さんの講演の会場でした。

 

木村響子さんには娘さんがいました。プロレスラーの木村花さん。花さんはSNSで無数の誹謗中傷を受け、2020年の5月、22歳で自らその命を絶ちました。

木村響子さんは花さんの死後、NPO法人を立ち上げ、誹謗中傷を終わらせるための活動・講演、そして裁判の準備を進めています。

板橋区成増でおこなわれた講演に足を運ぶと、そこにスマイリーキクチさんが来ていたのです。

芸能界に疎い私は、キクチさんが長年受けてきた被害のことをその時からようやく知ることになりました。

 

キクチさんの講演で、心にとても深く刻まれた言葉は、自分を誹謗中傷した人間に対して、報復をするのではなく、自分自身が幸せになることが仕返しになるのだ、というメッセージでした。

講演終了後、池袋のジュンク堂でキクチさんの中傷被害の実体験を綴った著書を買い求め、翌日Twitterで、講演に行ったことを書き記しました。

 

すると、キクチさんご本人からリプのコメントが届いたのです。

とても嬉しく感じるとともに、そのコメントはぜひたくさんの方に読んでもらいたい内容だったので、思いきってご本人に返信し、紹介してもよいか尋ねてみました。するとすぐにお返事が来て、承諾をいただきました。

このブログでも、あらためてその時のリプをご紹介いたします。

 

「講演会に足を運んでくださり、ありがとうございました。

今も中傷や嫌がらせは続いていますが、自分が幸せになることが最大の仕返しだと思っています。

スマホSNSを人の傷つけるツールにしないように、今後も子どもたちに伝えていきます。

お心遣いに感謝申し上げます。」

 

とても丁寧な言葉遣いにご本人の人柄が滲み出ていました。

ネットの誹謗中傷の問題に対して強い怒りを感じ、木村花さんの自死に深い悲しみを抱いていた者にとって、スマイリーキクチさんとSNSで直接やりとりが出来たことは、単なる偶然には思えませんでした。

 

社会に生きる1人の人間として、誹謗中傷の問題にどう向き合っていくのか、自分に出来ることは何か。

まずひとつは、自分の発する言葉、行動に責任を持つこと。

スマイリーキクチさん、木村響子さんの活動をこれからも応援しながら、じっくりと考え行動していきたいと思います。

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『突然、僕は殺人犯にされた〜ネット中傷被害を受けた10年間』

スマイリーキクチ・著  竹書房文庫

 

カウンセリングサロンぱすてる

喜々津博樹

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