ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

ひきこもり家族会について

今回はひきこもりの家族会のことを書いてみたいと思います。

ひきこもり家族会は、ひきこもりのお子さんを持つ親御さん同士が集い、お互いのことを話し、悩みや気持ちを分かち合い、交流する場です。親だけでなく、兄弟、姉妹、祖父母の方が参加したり、時にはひきこもりの当事者、経験者や支援者が輪に入ることもあります。

 

私はひきこもりの支援事業を始める時に、まずはご家族のお話、気持ちをじかにお聴きしたいと思い、地域のひきこもり家族会に連絡をして足を運びました。

東京都内には多くの区、市に家族会ができつつありますが、その運営形態は場所によってさまざまです。

 

家族が主体となって自主的に運営しているところが多いですが、社協が窓口となり、場所を提供したり広報を担い、活動をサポートしているところもあります。

ひきこもりの支援機関が立ち上げに協力したり、家族会と居場所を受託運営しているところもあります。

また、行政が枠組みを作り、民間事業者に委託して会を運営している自治体もあります。

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家族会は話を交わすだけではなく、場所によっては学習会、ミニ講座を開いたり、ひきこもりと家族会の存在を地域に広く知ってもらうために、講師を招いての講演会を大きな会場で開催しています。

家族会とは名乗らずに、地域の人たちとバザーを催したり、畑で野菜を育てたり、清掃活動を当事者と一緒に定期的におこなっている会もあります。

 

家族会で自分と同じような悩みを抱える家族と出会い、他の場では話せなかったことを安心して聴いてもらうことで、気持ちが少しでもラクになり元気をもらっているという親御さんがいらっしゃいます。

一方で、参加してみたけれどその雰囲気や人間関係、やり方に馴染めず、行かなくなったり、場所を変えてみたり、地元は参加しにくい、自分には合わない、といった声もお聞きしてきました。

 

ご自身のお子さんのことで悩み苦しみ、解決の糸口を見つけたいと会に足を運ぶ方もいれば、苦しんできた時期は峠を越えて、出会いや学び、楽しみを見つけて仲間とともに活動していこうと、どこか吹っ切れた感じのする親御さんにもたまにお会いすることがあります。

 

私は家族会に参加する時、いつも心に留めていることがあります。

それは、家族会は家族が主役の会であること。当然のことではありますが、決して自身の営業をしないことです。もし宣伝の類いをする時は、かならず事前に了解を得ています。

支援者というより一市民として参加していますが、ご家族からの求めがない限り、こちらから余計なアドバイスはしないようにしています。

 

ご家族の話にずっと耳を傾けて、私が会で話すことは、自身の体験談や感じていること、守秘義務を守った上での支援の話、そして参加者にとって有益となるような情報提供です。

ひきこもり支援は広域対応の支援でもあると思うので、なるべく近隣・広域の家族会や居場所、当事者会、イベントの情報をお伝えしたいと思います。

ご家族から支援内容について個別に尋ねられた際は、会が終了してから名刺やチラシをお渡しするようにしています。

 

家族会に回を重ねて参加し、交流を続けることで、ご家族と少しずつ信頼関係が生まれ、新たな出会いや機会につながることがあります。

また家族会を通じて、さまざまなひきこもりの経験を持つ人たちと出会い、親しくなることもあります。

 

各地に広がりつつある家族会が、ご家族と当事者にとって参加しやすく、安心して活動できる場所であるために、これからも端役としてかかわっていきたいと思います。

 

 

カウンセリングサロンぱすてる

行動支援カウンセラー 喜々津博樹

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