ひきこもり訪問支援 ぱすてる

自分らしく生きるためのカウンセリング

アサーティブ・コミュニケーション入門

私がカウンセリングの法人契約を交わしているNPO法人で、先日スタッフの方々に向けた研修をさせていただきました。

研修の大きなテーマはコミュニケーション。そこで法人の代表の方から「アサーティブ・コミュニケーション」について話してもらいたいというご依頼をいただいたのです。

 

研修をおこなうのは、西東京市で知的障がい者グループホームを運営しているNPO法人地域福祉マリーナ様です。ご縁をいただき、スタッフの方々のカウンセリングを契約カウンセラーとしておこなっています。私がこの法人様で前回おこなった研修テーマが「アンガーマネジメント」だったので、今回はその時の内容に密接につながっていくテーマでした。

 

アサーティブ・コミュニケーション(アサーション)という言葉は、心理学を学んでいる人にとってはとても馴染みのあるワードかと思いますが、その内容・意味が世間一般に広まっているとはまだ言い難い、と感じていました。そんな折にこのテーマのご依頼をいただき、とても貴重な機会になると思いました。

 

アサーティブ・コミュニケーションは行動療法のひとつとして1950年代にアメリカの心理学者によって開発され、自分も相手も大切にする自己表現であり、自他尊重のコミュニケーションです。

本やネットには、コミュニケーション・スキルの1つとして紹介されているのを見かけますが、スキルという言葉には違和感を感じていて、コミュニケーション・マインドといった方が私にはしっくりきます。学べば学ぶほどに、技法よりも心持ちや態度が核になっていると感じるからです。

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研修のタイトルを「アサーティブ・コミュニケーション入門」と題して、資料を作成しました。当初この研修は昨年夏におこなわれる予定だったので、原稿自体は出来上がっていましたが、今回あらためて原稿を見直して、細部を作り直しました。

オンラインでの研修ということもあり、Zoomの画面上でページを見せる際の配慮も必要だとあらためて思ったのです。文字の大きさと行の間隔、余白の広さなど、紙の資料とはまた違う仕様へと作り変えていきました。

 

当日は約1時間強の研修となり、アサーションの定義と歴史から始まり、自己表現の種類、アサーションの特徴・ポイントを具体的な例を挙げて紹介しながら、PDFを使ってお話していきました。また、アンガーマネジメントと傾聴についても、大切な内容として説明を加えました。講話だけではなく、簡単な自己チェックやワークも取り入れながら、なるべく参加型の研修になるように工夫したつもりです。

最後の質疑応答やワークでは、スタッフの方々から積極的に手が挙がり、熱心に参加いただいていることが実感できて、とても嬉しく思いました。

 

今回は研修が終わった後、スタッフの人たちの事例検討のグループワークにもそのまま一緒に参加させていただき、普段お話していない方々と画面上で交流をしました。その時間がとても新鮮で楽しく、現場で働く方々の生の声に触れることが出来ました。

オンラインで人と交流をしていると、不思議なもので、この次は対面でお会いしたい、直にあいさつを交わしたいという気持ちが芽生えてきます。

カウンセリングでも、オンラインは便利で都合がよい時もありますが、次のステップに進みたいと思うと、やはり対面での交流を望むようになります。この感覚は、ひきこもり支援の現場でも生かすことができるのではないかと、ふと思いました。

 

今後もカウンセリング事業やひきこもりの支援活動と並行して、研修・講座のお仕事も積極的にお受けしながら、日々自己の研鑽と学びを続けていきたいと思います。

 

カウンセリングサロンぱすてる

傾聴カウンセラー 喜々津博樹

https://www.salon-pastel.net/